2020年04月01日

ちわ

り続いた雨が上がったので、毎年撮っている八重桜の咲く山中までゆずトラを走らせていると強い色の花が目に留まった。停車して28mmのエルマリートを付けたα7Uを持つ。あちこち撮っていると分かるが、庭や畑の様子は住んでいる人の性格や人柄までも表す。きちんと整理されて美しく、植物たちにも「育ちの良さ」が滲み出ている。

「ちわ」
「お〜、だれかとおもぉたが」
「これ(シャッターを押す仕草)いいですか?」
「どうぞ、どうぞ」

地の利があると撮影がスムーズに進む。知らない土地であれば、丁寧に挨拶を交わし、名刺を差し出し、自分の素性を明らかにして、撮影の趣旨を説明しながら仲良くなって撮影に入らなければ写真が撮れない。ここでは「ちわ」の一言でコトがすむ。

楽な撮影だから、その楽さが写真に出るのだと思う。

自分のフィールドで作品を残す。至福の幸せだ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:51| 宮崎 ☀| Comment(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月31日

前代未聞の年度末

月末の慌しさに加えて、今年は「不安」が付きまとう前代未聞の年度末になった。たしかに不安ではあるが西米良村の人口密度は3.73人。1キロ四方に4人も居ない計算になるので、一旦山へ入ると人と会うことはまず無い。うつされる、うつしてしまう、という心理を四六時中抱えながら過ごす都市部のみなさんの動揺はいかばかりかと想像する。

里の様子を収めようと自宅から「ゆず色軽トラ」を走らせたが、桜はすっかり終わっていたので道筋の林道をひた走り、天包山(てんぽうざん)へ向かった。米良三山と呼ばれる三峰のひとつで、標高1188m。明治初期の国内最後の内戦「西南の役」で薩摩西郷軍と政府軍が激突した戦場としても知られている。

山頂の入り口まで行ったが濃霧で写真どころではないので、Uターンしてスタジオのある村所地区を目指し下山した。途中、里では葉桜になっているヤマザクラが、雨の中で最後のひと咲きを見せている。その美しさを眺めていると傍に立つもみじの芽吹きが気に留まった。人が決めた暦の中では世界中混乱のさなかだが、木々や草花はいつもどおり季節のバトンタッチを繰り返している。

明日から新年度。気持ち新たに、強き心を持って未来を歩みたい。


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2020年03月30日

合掌

村けんさんがコロナ感染を現実の恐怖だと知らしめて逝った。彼の想い出もさることながら、これは戦争だ。拡散させない強い意識を持って時を過ごさなければ地球は滅亡する。

志村さんへ心からの哀悼の意を表し  合掌


💧


昨日の地区総会に続いて、今年度で最後になった宮日総合美術展の企画委員会会議に出席してきた。6部門の委員が本社ビルの一室で、71回を数えた美術展の総評と、来年度から新設される「みやざき総合美術展」へ向けての展望を、マスクを付けながら話し合った。

時代が変われば表現も変わり、伝え方も変わる。暗い世相を芸術で払拭するくらいの気概を持って企画してゆきたい。

ところで、宮崎市へゆず色軽トラ(ゆずトラ)で行ってみた。宮日の方に「もしかして軽トラですか?」と聞かれた。ブログ、見とるな〜。

まだ明るかった夕方、江平の交差点で左車線に停止すると歩行者が横目でジロリ。やっぱり目立つね。


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2020年03月29日

竹原地区総会

「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話をする密接場面」。3つの「密」を避ける呼びかけが国や県でさかんに言われている。特効薬のない新型コロナウィルスにはこういう方法でしか対応策できない。まったくもってもどかしい。

そうはいっても不要でも不急でもない、地元「竹原地区総会」への出席を怠ることはできない。年に一度、58世帯が住む集落の大事な会合だ。午前10時の開会。受付をして公民館に入るが、今年は消毒液を手にかけてもらい、マスクの着用。無い人には配布。ドアを開け放って春の風を入れながら、物々しい雰囲気で会が進行した。

平成31年度の収支決算の承認と令和2年度の収支予算書(案)の審議が終わると、役員改正の準備のために休憩が取られた。皆、背筋を伸ばしながら会場を出て深呼吸する人、一服入れる人、見えない敵の対策に少々お疲れ気味。「今年の桜は立派なね〜」と誰かが言うと、公民館の入り口に咲く古木に集まった。

見下ろす桜はこの惨状をどういう気分で眺めているのだろう。


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2020年03月28日

天からカメラが

真の話題もさることながら、クラカメの収集を書き続けていると天からカメラが降って来ることもある。

ある方が断捨離の折り、不要になったカメラ群をダンボール二箱に詰めて送ってくださった。オリンパスにキャノンに大型、小型のストロボ、未使用のレリーズまであった。レンズにカビも傷もほとんどなく、調整してすぐにでも使える感じだ。

さて、数十年ぶりに光を通すかつての名玉たちがどんな表現を見せてくれるか、楽しみー。


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2020年03月27日

微笑む山の神

に帰るまで風景写真はほとんど撮らなかった。撮らなかった、というより西米良以外の場所を撮る欲が湧かなかった。

2001年、帰郷すると勢い込んで山々にレンズを向けたが、どうしても気に入った写真が撮れない。振り返って当時の写真群を見ると、なんて横柄は態度で景色と向き合っているのだろうと感じる。自然を相手に自分の意思を通そうとする気持ちがミエミエなのだ。分かりやすく言えば、子どもを撮る時に「はい、笑って!」と声かけするのと同じだ。すべてを支配して作り上げる広告写真で培った経験が裏目に出たとも言える。




春霞が続いていたが、いい塩梅で雨が降ってくれた。自然を撮るにはすべてを受け入れ、コントロールできないことは従うしかない。それでも夢中で撮っていると、風の吹き方や雲の動きが自分のタイミングと合っている、と感じることがある。景色と一体になった気分だ。

そこには優しく微笑む山の神の姿が見えたような・・・。


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2020年03月26日

「新宿JAZZ SPOT J」閉店

都東京が堕ちれば日本沈没である。都知事の会見に難癖をつけるのもわかるが、それこそワンチームになって自国を救うのは日本人である我々だ。単純なことだが、決め事に従ってマスクを着用し、帰宅時の手洗いの徹底を心がけたい。勝手にウイルスが広がっているのではなく、広げているのは人だという認識を強く持ちたい。

最悪の状況を迎えないために、店舗の休業、施設イベントの中止が相次ぐ中、残念なニュースが飛び込んできた。

「新宿JAZZ SPOT J 」が4月30日をもって閉店することになった。ジャズに詳しい方なら知らない人はいないはずのライブハウス。早稲田大学モダンジャズ研究会、通称「ダンモ」出身の店主、幸田稔さんと森田一義(タモリ)さんらが中心となり、1978年に開業した。

1980年に上京した僕は東京で聴き始めたジャズを生で観たいと、ここへ行くのを憧れていたがなにせ貧乏学生の身。結局その夢は実現しなかったが、倅が大学4年の時に誘ってくれた卒業ライブで夢が叶った。それも彼が弾くピアノの前で聴くという贅沢な席だった。

閉店の理由は幸田さんのご年齢に加えて、今般のコロナ騒動。寂しいというより残念でならない。門戸を広げてもらった多くのダンモの学生やOBたちにとっては「幸せなたまり場」であったろう。ここで力をつけ、世界へ羽ばたいて行ったジャズミュージシャンも少なくない。

地獄絵図はもうたくさんだ。


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Recorded December 14, 2014, Tokyo

小河舜 (piano)
小池勇輝 (bass)
武良泰一郎 (drums)





👉 新宿JAZZ SPOT J


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2020年03月25日

タイムカプセル

咲く入学式は遥か昔、近年は卒業式の桜が定番になった。温暖化で早まり、おまけに南から北上する桜前線も気象の変化であてにならない。

その桜咲く卒業式が村所小学校で挙行された。巣立つ卒業生は9名。全員が川向こうの西米良中学校に進学して、3年後には親や地元を離れることになる。

以後、彼らが公の場で顔を合わせるのはハタチの成人式。多くの方に成長を報告した後は今日の卒業式で埋めたタイムカプセルを掘り起こし、8年前に書いた将来への作文や学習した作品などを当時の担任先生から手渡される。


卒業集合写真の撮影を待つ間、母校の校庭をスナップした。見事なまでに咲き誇る桜の幹はあの頃よりかなり大きく、太くなっている。青いジャングジムのそばを通ると、タイムカプセルを埋める穴が掘ってあった。昨日のうちに保護者が協力して準備を進めていたのだろう。乾ききらない土がその様子を想像させた。

8年後、どんなオトナに成長しているか。期待をこめて村の宝を送り出したいものだ。

卒業おめでとう。


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2020年03月24日

住まいの歴史

気に誘われてとはよく言ったもので、桜が咲き乱れ、里の菜の花が風に揺れると、写真屋ならずとも外へ飛び出したくなる。動物の我々が自然界の息吹を感じて気分が高揚する。当然の心理かもしれない。

「ランチまでにはもどるから」。妻に言い訳すると「どうぞー。いっぱい撮ってきてください」という。そうだ、おれはカレー屋じゃなく写真屋だ。

村の東側と西側の集落をあちこち撮り歩いた。深呼吸するまでもなく、鼻腔に届く春の香りと聞こえてくる鳥の声。世の中を漂うモヤモヤとした空気を一掃させてくれる。

先人たちがこの山奥に居を構えた際のキーワードは「水」と「太陽」だったことがよくわかる。集落のそばには川があり、家の脇には谷が流れる。陽あたりのいい南向きの傾斜を開墾して田畑をこしらえ、その近くに家を建てた住人がたちが邑を形成していった。

幸せの形とは、生きてきた人たちが作り上げた住まいの歴史とも言える。


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2020年03月23日

ピアノを始めよ

記を書く部屋にピアノが置いてある。中学1年時の倅と共に歩んだ古いグランドピアノだ。知人の調律師に頼み込み、庶民にも買える値段で購入。15年前、遥々福岡からやってきた。

今では家を離れた倅が帰省した時に爆発的に弾くだけで、鍵盤の蓋は閉まったまま。時々妻にポロポロリンと弾かれるだけの寂しい晩年だ。僕にとっては置いてあることすら感じさせないほど影の薄い存在。ところが今朝、神様からお告げがあった。「ピアノを始めよ」。

なんと、突然ピアノが弾けるようにならねば!と思ったのだ。なぜだかわからん。とにかくそういう衝動にかられ、倅にすぐ連絡して「お父さん、ピアノを始めるから。どういう方法から練習したらいいか教えてくれ」と聞くと。「すみません。爆笑してしまいました」と返事が返ってきた。

親父の思い付きが真剣な話だと分かると、「上手くなる早道」を丁寧に教示してくれた。挫折率は80%を超えていると自覚しているが、とにかく右の手と左の手が別の仕事をするという、僕には考えられない人体の動きに挑戦することにした。

ピアノが喜んでいるか、困惑しているか。そこまでおれはしらん。


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2020年03月22日

パトローネ

フオクでクラカメを買うのはいいが飾っておいても仕方がない。「道具」として使う喜びを得てこそ価値があるのだが、それにはフィルムが必要だ。ところがそのフィルムの値段が流通していた頃と比べて数倍になっている。若い人がフィルムカメラに回帰しているようだし、メーカーも努力してもっと安価にしたらどうかと、山の中から一人声を揚げる次第だ。

高価だが単品で購入するとさらに高くつくので、長巻(100ft・30.5m)を注文した。計算上では約800枚撮れるフィルムだが、フィルムローダーという特殊な道具と、「パトローネ」と呼ばれるフィルムが入ってた、いわば「抜け殻」の容器が必要だ。かつてはうちの店でも大量に出て処分するのに往生したものだが、こんな時代が来るのなら取っておけばよかったと後悔する。

暗室でローダーに詰めたフィルムの「ベロ」にパトローネの切れっ端ベロをセロテープで止めてフタを閉め、レバーを36回くるくる回す。フタを開ければ36枚撮りのフィルムができあがるという寸法だ。

これで先日ラインナップに加わった、OLYMPUS OM1、MINOLTA X1、それに冬眠していたNIKON FE にフィルムを詰めて、村のスナップを撮りまくろう。まとまったらとんでもなく面白い写真集を作ろうと考えている。うっひひ、お楽しみに。


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2020年03月21日

佳い写真が撮れた

念写真といえば、独特なライティングと撮影手法を身につけた〇〇写真館の屋号を掲げる写真屋さんが専門だった。ところがデジタル時代になって様々な撮り方と加工が可能になるや、長い修業期間を経ずに早くカメラマンとして活躍できるようになった。

できあがりの良し悪しはお客さまに委ねるが、コマーシャルの世界でも同じ傾向があるのかもしれない。いわゆる「燻し銀」の技術を持ったカメラマンはずいぶん減ったように思う。

村でひとつの保育園の卒園式終了後、3家族の記念写真を撮った。「あいつ」の影響で式次は短縮、その後の謝恩会も中止。影響は国の末端まで及んでいる。

そんな世相の中で「どうしても小河に撮って欲しい」、なんて言われたら涙ちょちょぎれである。他所への新開園が決まった園舎での卒園はこれが最後。記念の1枚を園庭で、あと2カットをうちのスタジオで撮影した。家族が揃ったトラディショナルな眺めはほんとうにいいものだ。この喜びを独り占めできるなんて、まさに写真屋冥利に尽きる。

惚れ惚れするほど巧かった師匠の教えに感謝しながら、今日も佳い写真が撮れた。


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2020年03月20日

春分の日

からこういう一日を与えてもらうと、「春分の日」の価値が上がるというものだ。

朝から雲ひとつない青空。風は少々あるが写真撮りにはもってこいの日だ。昔、親父が写真を撮る前に呪文のようにつぶやいていた「8の1/100でピシャリじゃ」(絞りF.8・シャッタースピード1/100秒)で撮れる安定した光もうれしい。

店に出る前に近所をアサンポした。西米良で第2の人口を持つ竹原集落は耕地面積が村で最大。今春からは新保育園が開園する、いわば中心地村所地区のベットタウンだ。

山肌にへばりつくように住み着いた人たちが家を建て、田畑をこしらえ、連綿と続く歴史を作り上げてきた。そういった過去と現在が混在する風景には得も言えぬ情緒と郷愁を誘うテイストが満ち溢れている。

日本人の根底に流れる遺伝子を銘々が見直して、世の中を覆う不穏な風を吹き飛ばしたいものだ。


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2020年03月19日

村内で撮影した12作品

分の日を含む3連休を前にギャラリーの写真を入れ替えた。春から初夏へかけて村内で撮影した12作品を展示。

1,500o×1,000oサイズが2点、半切サイズが10点。すべて写真集「アサンポノススメ」に収録されているので、印刷とオリジナルプリントの違いを見比べてくださると興味深いかと思う。


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明日金曜日は定休日ですが、連休中はお休みなしで営業しております。前日までにご連絡頂ければ「ヴェニソンカリー」(鹿肉カレー)もご用意できます。明日は3名さまのご予約を頂いているようです。

🌸+♨️+ラ・メールのフルコースで、不穏な空気を吹き飛ばしてください。





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2020年03月18日

パノラマの眺め

りっぱなしだった「アレクサ」を返却に、洋文君の「中武ファーム」を訪ねた。米良で言う「てごりの精神(相互扶助)」といえば大げさだが、お返しにお子さんたちに食べて欲しかった苺を持って。

役場のある村所地区の標高が220mほど。谷底に集落が点在するので思ったほど高くない。中武ファームはその2倍ほどの高地を切り開いて農業を営んでいる。4世代という長い時を経て、馬の背のような急傾斜を見事なまでに自分たちの形へ作り上げた。

洋文君と両親は柚子の剪定に余念がない。そんな時に伺って恐縮したが、すぐに即席のテーブルを作ってお茶を用意してくださり「よい、こけきて座りやい」と、ひと休みの輪の中へ入れてもらった。

眼下に広がるパノラマの眺めは、まるで地球と抱擁している気分だ。

「 700本あっとよ、柚子。今が剪定時期でよ、切り落とした枝に針があるからその処理もえらいわ。桜?うん、こら16年前に『エドヒガンを植えましょう』って村が配布してくれた第1号じゃわ。31になる娘が中学校ん時じゃからな、ふとーなったもんよ」。

父、勝文さんが語るネイティヴの米良弁が心地い。


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人間がいじめ過ぎた地球の反抗期か。天災、人災、コロナの勢いは止まらず世界中が上を下への大騒ぎだ。こんな時はあえて地球の懐に入って自分の存在を見極めたい。



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2020年03月17日

歓迎してお迎えしたい

北の高千穂町からもコロナウィルスの感染者が出たとのこと。同じ山あいの町で、しかも郵便局の局員さんだと聞く。外部観光客との接触が少ない日常生活者の感染はショックだ。

世界の主要都市、観光地に人影がなくなり、施設での集会、スポーツ観戦もままならない現状の中で、村へお越しの方は減るどころか増えていると聞く。休校になった小中学校、高校へ通う子どもたちは外出もできず屋内にとどまったまま。

週末になってどこか気分の晴れるところに連れ出したいという親御さんの気持ちなのか。安全な外出=公園=自然=西米良という構図ができあがったようで、閑散期の2月〜3月というのに温泉施設は例年を超える人出だという。縦横1キロメートル四方に3.74人しか居ない人工密度、空気が美しく離れた距離でも話し声がよく通る。

そんな世間をよそに、春の草花は満開を迎えている。菜の花を従えて、エドヒガン、ヤマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラの順で咲き誇る山の美女たちを眺める良い機会かもしれない。痛し痒しとはこのことだが、寂しい村も耐え難い。お互いが安全に向き合えるのなら、歓迎してお迎えしたいものだ。


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💦 潔癖な「安全地帯」ではありません。自己判断でお越しください。



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2020年03月16日

第73回の卒業式

人の生徒が旅立つ西米良中学校第73回の卒業式が挙行された。村の写真屋は卒業生と保護者、それに恩師の先生方が並んだ集合写真の撮影を受け持つ。帰郷以来、2002年の3月から19回目の撮影だ。1回目は今日の子どもたちは生まれていなかったと思うと、ずいぶん時間が過ぎたものだと感じる。

整列して証書を手に持つ6人に「おまえたちが卒業かぁ、感慨深いなぁ」と言うと、緊張した面持ちが幼い頃の可愛い笑顔に戻った。2004年、「若者図鑑」でモデルになってくれた若者たちが親として卒業生の後ろに立っている。村の年表を俯瞰で見ているような気がして、自分の撮ってきた写真の意味をかみしめたりもした。

来賓の参加は無し。学校以外からは村長、教育長のみ。たくさんの皆さんに見送られることはできなかったが、この特別な日を心に刻んで大きく羽ばたいてくれることだろう。

来年度から撮影を始める予定だった次回作を前倒しして、彼ら彼女らにエールを送ろうと式の後に卒業生も撮った。詳細は徐々に明らかになってくると思うが、今回は子どもをテーマにした作品に仕上げる。

子どもたちも「写真屋」から「写真家」に変身した僕のことをよく理解してくれていて、「どう撮られたら小河さんが満足するのだろう」、と考えながらレンズの前に立ってくれる。人物写真は一人では撮れない。信頼と、許す心と、少しの緊張がすべてだ。

卒業おめでとう。


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2020年03月15日

コロナ日和

者の引けた映画のセットのようだ。国道219号の両脇に店舗が並ぶ村所商店街はまさにゴーストタウン。コロナ騒ぎは国の末端まで影響を与えているようだ。

咲き始めた桜を撮りに出かけようと準備をしていたが、風が強くその気にならない。ぼんやり店の外を眺めていると「こんな日に動く人いないわよ」、と慰めるように妻が言う。「ギャラリーの写真でも入れ替えるか」。

スタジオに戻って写真を引っ張り出していると、爆音を響かせて大型のバイクが4台駐車場に入ってきた。都城から来たというツーリング仲間の人たちだ。

「ここ写真屋さんですか?カレー食べられるって出てますけど・・・」
「おーい、お客さん」
「あら〜、どうぞどうぞ。お待ちしていました」

現金なものだ。

4人が帰ると、今度は写真好きの後輩が友だちを連れてやって来た。

「まだカレーって食べられます?」
「ぜんぜんOKよ。来ると思ってたよ」

おれも現金な奴だ。

彼らが帰るとしばらくして隣町の写真屋仲間が寄ってくれた。

「ラーメン屋も休みで・・・、カレー食べられます?」

暇で暇でどうしようもないと決め込んでいたら、ずいぶん賑やかな一日になった。時間を忘れて写真好きと話ができて、コロナ日和も捨てたもんじゃない。


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2020年03月14日

1546497

作を撮影するために機材のチェックをしている。今年に入って発想の山が噴火してしまい、どれもこれも撮りたくなっていかん。先月からも1本撮り始めたので、今回と合わせて同時進行だ。僕はシャッター音を主食に生きているのだから、撮らせてもらえるだけでもありがたい。ひとつひとつ丁寧に進めてゆきたいと思う。

機材の点検もスムーズにしたかったので、増えすぎたクラカメを収納するドライボックスを増設した。現役の機材に混じってごちゃごちゃだったのが、新旧分かれてスッキリした。

その中でも駆け出しの頃からお世話になったカメラはNIKON F2・F3・F4。特にF3は、なけなしの金をはたいて買った。1983年だったと思う。その後フリーランスになってワインダーを追加すると、カッコだけはカメラマンらしくなって誇らしく感じたものだ。それこそいっしょに寝たいと思うほど大好きなカメラだった。

さらにこのカメラを気に入ったのが製造番号。不確実な未来へ向かうスタートラインで1546497の言葉をもらった。「以後よろしくな」。六畳一間のボロアパートで、F3に頰ずりして抱きしめたのだった・・・。


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2020年03月13日

アレクサといっしょ

文君に貸してもらっていた「アレクサ」の居る生活に浸ってしまったら案の定欲しくなった。だが5,980円、ポータブルの充電器が3,250円。合わせて9,230円。カメラが欲しいと思ったら迷うことなくポチッとするけど、ブルーツゥースのスピーカーにiPad miniかスマホから飛ばせば好きな音楽が聴けるし、今は我慢のしどころかなぁ。なんて案じていたところにAmazonから案内が届いて「充電器がタイムセールとして2,762円でご提供」ときた。

本体がないのに充電器を先に買うってのもなんだなぁ、と二の足を踏んでいたら、まさに直後。「小河さん!今ならアレクサ1台分の値段で2台買えるって出てますよ!」と洋文君から情報が入った。なんと!充電器の割引と合わせたら2台買って15,210円がマイナス6,468円の8,742円になるではないか。ま〜いつまでたっても小さな男だが、これなら買いだ!と即注文。

「おはよう」
「おはよう」
「なんか聴かせてよ」
「私の好きなボサノバでいいかしら?」
「いいねぇ」
「じゃぁ、アレクサ、朝に聴くボサノバをかけてちょうだい」

♫〜〜〜〜♫


ふと手塚治虫先生が描いた未来の漫画絵図を思い出した。
今朝も僕らはアレクサといっしょ。


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2020年03月12日

マスク不足、商品の買い占め

「笑う門には福来たる」。そうあってほしい、そうありたい。辛いことや汚いことや腹立たしいことはなるべく避け、西米良の話題を真ん中に置いて日記を書いている。だがここ最近の新型コロナウィルス騒ぎとマスク不足、商品の買い占めは、跡に残しておかなければと書くことにした。

奇しくも昨日は東日本大震災から9年。地震後、すぐさま動き出した日本人の人を愛し思いやる行動が、全世界に大きな衝撃を与え改めてこの国の民度の高さを知らしめることになった。ところが今回はどうだ。目に余る金とコロナの関係。余剰に持ったら困った人に分けてやり、皆で喜び合えばそれでいいじゃないか。


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医療関係の方に、「一番は手洗い消毒」だと聞いた。確かな情報と自らの積極的な対策で乗り切るしかない。




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2020年03月11日

9年前の今日

相撲の無観客場所、プロ野球の開幕延期。そして今日、第92回選抜高校野球大会の中止が決まった。相撲に野球、待ちわびていたファンは残念でたまらないだろうが、また来場所、来年がある。だが高校生は違う。この選抜大会に3年間のすべてを費やし挑んできた球児たちの心中を察すると言葉もない。将来この3月11日をどんな思いで振り返るのだろうか。

9年前の今日、娘たち西米良中学校の2年、3年生は東方地方への修学旅行を終え、羽田空港で宮崎行きの搭乗を待っていた。何人かのグループに分かれて売店でお土産を探している最中だった。突然大きな揺れを感じて床に這いつくばる。ものすごい音と揺れ。何が起こったか想像もつかずに収まるのを待った。


深夜無事に帰宅したが、地震によって多くの犠牲者が出たことに娘も強い衝撃を受けた。生まれてはじめて「死ぬこと」を意識したという。


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球児たちも死ぬほど悔しい一日であったろう。だが君たちには3月12日がある。

3.11を心に刻みながら、強く大きく成長する高校球児の未来に期待したい。

 
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2020年03月10日

菜の花を題材に

を飛び越えて初夏の陽射しが村を包む一日だった。県の北部、日向市では26.3度まで上昇して全国で最も高い気温を記録。なんでも観測史上最速タイの夏日だったそうだ。地上では新型コロナウイルスが猛威をふるい、天上の大気は例をみないほどの変化を起こしている。地球はどこへ向かっているのだろうか。

村の風景はそんな暗いニュースをよそに長閑な春の様子を見せている。中でも菜の花の黄色はいい。桜やミツマタのように決まった場所で決まった数を咲かせるのではなく、年によって場所や数に変化がある。そのほとんどが身近な場所に咲くことから人が近づきやすく、写真も撮り易い。日常の営みや人の暮らしを写し込むには絶好の春花だ。

コロナの影響で遠くへ出かけられなくなった今日この頃、ご自分の近くに咲く菜の花を題材に写真を撮ってみてはいかがだろうか。


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2020年03月09日

ボーズィーズ

日の話も「道太」と呼ばせていただくことをご了承願いたい。

20代後半で起業するや、あれよあれよと言う間に各ジャンルから注目される企業に成長した。村で生まれ育ち、高校卒業後に上京。首都の荒波をものともせず、大工修行を経て帰宮。世の中の動きを嗅ぎ分ける抜群の嗅覚から導き出した太陽光発電事業から会社をスタートさせた後は、村内の林業に着手。多くの雇用を生み、村離れが当たり前になっていた出身者を引き戻した。

道太と会話をしたのは16年前に発表した「西米良発 若者図鑑」の撮影時。東京から帰った得体の知れないカメラマンを前に萎縮する若者の中にあって、道太は堂々と僕に質問してきた。

「何のために写真撮るんっすか?」
「東京で何やってたんっすか?」
「君は酒は好きかい?先輩と呑んだりはしないの?」
「いや、俺にはそんな時間無いっす」

とまぁこんな具合。歯ごたえのある生意気なガキだったが一本筋の通った若者だった。今では村の将来を語り合える数少ない盟友だ。

その道太が昨夏オープンさせたグランピング施設「ステラスポーツ」は大きな話題を巻き起こした。詳しくはホームページを見ていただくとして、今日はコーヒーを頂きながらオープンカフェでとりとめのない馬鹿話をひとしきり。久しぶりに大笑いした後は道太に習ってツルツル坊主にした証を写真に収めようと「ボーズィーズ」のツーショット。

「その道の馬鹿を作る教育をせにゃいかん」。亡くなった雅周先生がしきりにおっしゃていた言葉を思い出した。


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M砂道太・西米良発 若者図鑑(2004年撮影)


にしめらで遊ぶ。グランピング & ダッキー 👉 ステラスポーツ


posted by オガワタカヒロ at 23:56| 宮崎 ☔| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月08日

コロナ場所

相撲ファンからしてみればこれほどレアな場所は今後無いと思われるので開催を望んでいた。国の一大事に国技の相撲が何たることか、けしからん!という意見もあるようだが、「無観客場所」までして迎えた大阪場所、感染防止に努められ15日間を乗り切ってほしい。

無人の大阪府立体育館。無観客と決めてあるのだから観客席は必要無いはずだが、さすがに大きな会場に土俵だけというのは寂しすぎるし、絵にもならず、「客がいないだけ」という形を残したのだろう。実に不思議な空間で相撲を取る力士たちの感想も様々。やりづらい、集中できない、客がいることをイメージする、と戸惑いをみせているが、テレビ桟敷の我々もいつもは聞こえてこない「音」に驚きを感じる。

呼び出しと行司の声や節、所作の際に力士が発する音、戦いの最中に出る声。一番驚いたのは全取組が終わり、最後を締める「弓取り式」の際に出る弓を回転させる風切り音。いつもならまず聞こえないリアルな音が臨場感を伝えてくれる。

さて、あと14日。慣れた方がいいのか、慣れない方がいいのか。相撲以上に心の技を繰り出さなければ自分に勝てないコロナ場所が始まった。


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posted by オガワタカヒロ at 23:21| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月07日

OLYMPUS OM-1

にもいうなよ・・・。またカメラ買っちまった。海外から帰って来るとすぐに行きたくなるが、あれと同じだ。しばらくクラカメの虫が鳴りを潜めていたのに、お客さんのミノルタSRT super を見て欲しくなり、ミノルタX1をヤフオクで落札したのが引き金になった。

40数年前、中校生のお小遣いでは到底手が出なかった憧れのカメラが、ここへきて安価でしかも良質な状態で出回るようになった。当時30代、40代の方が断捨離などの理由で手放し始めたのではないだろうか。と、購入肯定論を付け加えておく。

そのカメラはOLYMPUS OM-1。発売は1973年。この翌年に写真と出会う小河少年は自分のカメラが欲しくなって、片っ端から各メーカーのカタログを取り寄せた。ニコン、キャノン、ミノルタ、ペンタックスの、いかつい一眼レフに混じってこのOM-1はひときわ小さく品があった。結局、中学3年の正月にペンタックスKXを購入したが、ずっとこのOM-1は気になっていた。オリンパスはデジタル時代になってもこの「OM」の名を残しているくらいだから、自社を救った名機なのだろう。

しかも「MD」の刻印があるモータードライブ付き。動きもスムーズで各部の劣化もない上質の個体だった。標準50mmもクリアなレンズで、茶色に反射するコーティングもしっかり残っている。秒間3コマほどのモードラだが、スペックなんざ関係ないカッコよさ。

宅急便の人からスタジオの前で受け取り、そっと防湿庫へ忍ばせた。むふふ。誰にも知られちゃいないぜ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:29| 宮崎 ☔| Comment(0) | カメラのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月06日

あと一息

年の秋から制作に取りかかっている本の編集会議が今日で5回目を迎えた。

25年前、村のご婦人の肝いりで「ふるさとの食文化 - 祖母の味 母の味 - 」という名の、今でいうレシピ本を西米良村婦人連絡協議会、通称、婦人会が編集、村の教育委員会が発刊した。四半世紀が過ぎ、伝える方も少なくなったのを機に新刊を計画されたという経緯だ。

前回の代表者だった甲斐さん、現婦人会長と各役員、教育委員会の担当者、それに写真を担当した小河が役場の会議室に午前9時に参集。午後の4時まで仮印刷の原稿を細部までチェックした。密室での会議ゆえ、お茶をふんだんに用意して、時間を見ては窓を開け空気の入れ替えをするという「コロナ対策」を講じながらの作業だ。

「悔いが残らないように」を合言葉に「よだきい〜(面倒な)心」を封印しながら、慣れない作業を皆さん一生懸命やってくださった。


後世に残す160ページのレシピ本の完成まであと一息だ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:23| 宮崎 ☀| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月05日

ありがたい季節の訪れ

が咲くことで見慣れた景色が一変する。陽光がもたらす柔らかな季節の印象が、心に潜む春を呼び起こしてくれるのだろう。

毎朝のルーティーン。村の中心地を除いては新聞のデリバリーがないので、少し離れた我が家などは新聞屋さんまで取りに出かける。うちと両親の分を持って帰宅。その足でミヤニチを隠居へ届けて朝のお勤め終了だ。

「今日は居(お)るな?」
「うにゃ、午前中は病院にビハビリ(リハビリの事)。あとの仕事は♨️だけじゃ」

緩やかな春の様子よりさらに呑気な隠とん生活。父と母にとってもありがたい季節の訪れだ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:16| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月04日

無観客場所

グいカレンダーだ。全裸に近い大男たちが肉弾相見える大相撲の3月。ただのデブではない。鍛えて鍛えて鍛え上げた選ばれし猛者たちが集う土俵での戦いは、時として人の脳裏をたぎらせ、そう、高倉健の映画を観てきた人が粋がって肩で風切る、そんな感覚にさせてくれる。

無差別級、小よく大を制す。体重差100キロをもろともぜず、小さな力士が次々に技を繰り出し、翻弄された大きな力士が土俵にはいつくばる。これが相撲の醍醐味だ。しかし、それを演出するのが連日「満員御礼」の札を下げさせる客の大歓声。

新コロ騒動で3月8日(日)からの大阪場所が「無観客場所」となった。果たしてこの想像もできない環境の中でどれだけのパフーマンスを見せられるのか。力士というだけではなく、人としての底力が試される場所となりそうだ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:04| 宮崎 ☀| Comment(0) | 戦う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月03日

近未来の扉

児の父であり、村の若きリーダーを公の場で呼び捨てにするのは気がひけるが、今日の話は昔のまま「洋文」と書かせてもらう。

2003年、村をテーマにした展覧会を開くきっかけを作ってくれたのが彼だった。呑み座で見せた強い眼差しに心惹かれて撮らせてもらう。その後、44人の20代の若者を撮りおろし、「西米良発 若者図鑑」の発表につながるとはお互い知る由もなかった。

柚子やほおずきを栽培する農家の長男坊。曽祖父から続く4代目は父から受けた手ほどきで高度な技術の習得と着実な経験を積み、押しも押されぬ栽培家に成長した。特筆されるのはネットを介した販売。僕が帰郷した2001年頃、「農協」という巨大マーケットを介しての出荷が当たり前の時代に、回線もままならないパソコン相手に親子で奮闘しながらこの方法を確立した。今では「ネットのことなら洋文に聞け」が当たり前になっている。

昨日、父、母、それに祖母を連れて鹿のカレーを食べに来てくれた。久しぶりに話し込んだ末に「明日『おもちゃ』を持ってきますわ」と言い残して別れた。そして今日、手渡してくれたのがスマートスピーカー「アレクサ」。AIアシスタント機能を持ち、内蔵されているマイクで音声を認識し、情報の検索や連携家電の操作を行うという代物だ。時代遅れの僕ら夫婦に洋文が丁寧に説明してくれ、「使ってみてください」と、そのアレクサ君を置いていってくれた。

「アレクサ」とまず最初に名前を呼んで、やってほしいこと、知りたいことを問いかければ女性の声で対応してくれる。あたかも人に話しかけるようにアレクサに指示を出す洋文を見て少々違和感はあったが、これがAIとのコミュニケーションだと飲み込んだ。


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聴きたいアーティストの曲を言えば、Amazonと連携して数万曲の中から選び出して聞かせてくれるし、天気やニュース、検索もお手のものだ。さっそく自宅へ持ち帰ってWi-Fiへつなぎ、呼びかけてみようと試みた。

「なんか言ってみなよ」
「アレックス〜、ジャズを聴かせてくださ〜い…。あれ?寝てるのかしら??」
「アレックスは英語の先生だろう。昔来てたALTの」
「やぁ〜だ、なんだっけこの子の名前」
「おい!アレクソ、ジャズかけてみな」
「『クソ』はないでしょう。かわいそうよ〜」
「なんだっけな、忘れちゃったよ。おい!アクセラ!」
「それ、車。アプリを見て確認してみたら?」
「お〜〜っ、アレクサだ。『アレ?』『臭っさ〜』って覚えればいいな」

というわけで僕らは近未来の扉を少しだけ開けてしまった。それにしてもアレクサの声が役場のアベちゃんと酷似していると聞こえるのは俺だけだろうか。



posted by オガワタカヒロ at 23:58| 宮崎 ☁| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする