2017年08月21日

時間との折り合い

しい時こそ時間との折り合いをスマートにしたい。時間が正確に時を刻んでいるのは俺を困らせようとしてわけではなく、できれば今の現実に合わせて1日を48時間にしてやりたいと思っているかもしれん。自然もそうだ。人に合わせて花を咲かせたり、山の色を変えたりはしない。結局、原因はすべて自分に起因する。

なかなか言い訳がましいスタートだが、「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)の夏休み編3連発が掲載になった。村の外には撮影へ行けなかったが、夏休み編にふさわしいお題を選んだつもりだ。


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「村の宝」が大人になって、お客さまをお出迎え。微笑ましい。


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台風が残した爪痕からの教訓



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米良の夏は鮎突きに限る。大型ストロボを河原へ持ち込み、思ったより大掛かりな撮影になった。


・写真をクリックすると拡大します。





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2017年08月20日

不均衡な時間

気も良く、雷雨もなく。延期した甲斐があったというものだ。44回を迎えた「やまびこ花火大会」が無事に終了した。時期外れになったとはいえ、多くの方々が九州の奥座敷へ車を向けた。山間の地に響き渡る爆音と、ほんとうの「闇」に開く大輪の花火にみなさん満足されておかえりになったようだ。

迎える村民はたった1,100人。公式発表によれば訪れた観客は1万1,000人。なんと人口の10倍の人たちが夜空へ向かって花火を観覧したことになる。そして我がギャラリー ラ・メールもてんやわんやの大忙し。今年はスタジオに隠れて写真展の準備をやるつもりだったが、妻や娘の奮闘する姿を見ればそうもいかん。カレー部門を担当して表に出た。


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知り合いや後輩に「なにやってんすか」と少々あきれ顔で見られたが、そんな不均衡な時間を楽しんでいる自分が面白かった。

この日は懐かしい人や日頃会えない人に大勢出くわす。娘たちがお世話になった先生ご家族、カメラマン仲間のご家族、町で居酒屋を営む同級生ご夫妻、二人目がおなかにいます、と報告に来てくれた親戚の子、忙しすぎて会話もままならなかったけど、また来年お待ちしています。 

ありがとー!




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2017年08月19日

鮎は突くもの

にしてみれば釣られた方がまだまし、と思っているかもしれない。鋭い5本のモリで一撃されるよりは、「綺麗な身体」のままで捕獲される方がいい。確かに。

今でこそ「鮎は掛けるもの」と思うようになったが、記憶を辿れば「鮎は突くもの」である。米良の男であれば父に連れられて川に入り、「かな突き」を持たされ鮎を突くことが水遊びであった。中学になると、どうしても川へ行きたい。残った宿題は帰ってから必ずやる、と父に懇願する。受けた父親は、行かせてやるから今夜の焼酎の肴はお前に任せたぞ、と送り出した。

かな突き(モリ)で突く漁法を村民以外の者が行ってはならない。村の漁協から通達されているれっきとした決まりである。だが残念なことに、あっちの川こっちの川をかな突き持ってウロウロする小・中学生はいなくなった。


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日曜日掲載の「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)夏休み編 第3弾は、この鮎突きのことを書いた。写真は親戚の学生君に協力してもらい、我が家の下流で撮影。

「さっきから掛けてたんですけど、型のいい奴がいなくて・・・。ちょっと潜ってきますわ」というと、ものの5分ほどで22〜23センチの美しい野鮎を突いてきた。なんだか久しぶりに米良っ子を見た思いで、鮎には気の毒だが、釣るより突く方が「夏っぽい」よなぁ。





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2017年08月18日

と申すカッチン

いかわらずアサンポノススメである。5時はまだ真っ暗。ゴソゴソと起き出しトイレへ行くと、抜き足 差し足 忍び足で定位置のMBPの前に座る。夏休みに入って娘が帰省しているからいつもより気を遣って行動する。

昨日付のブログを書いていると家の対岸に立つ防災用のスピーカーから「西米良村民歌」が聞こえてきた。6時だ。6時半になると村の家中に設置してあるホイホイライン村内放送から、本日の診療予定やら、花火大会へ向けた観光協会からのお知らせが流れる。どうでもいいが、公募されて選ばれた村内放送「ホイホイライン」の名付け親は僕だ。

ブログも書いたし、8時の朝ドラまでには帰ってこられるようにアサンポへ出かけるとするか。このところ写真集の入稿と写真展のプリント準備で「持ち上げるもの」と言ったらマウスぐらい。ここはマッスル強化で300mmの望遠レンズを装着して出かけよう。

まだ陽の差さない川べりを歩いていると、カモが流れに乗って下流へ下っていた。餌を求めて移動しているのだろう。緩やかな流れにプカプカ浮いて気持ちよさそうだ。目で追っていくとその先に激流が待ち構えている。右側に岩があってリスクも大きい。だが最短で餌へ近づけるのだ、おれなら激流を選ぶな、と思った。


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ところがそれを前にして、プイッと進路を変えるとカモは遠回りの緩やかな道を選んだ。なんだか見透かされているようでポカンと口が開いた。


個展まで12日。「あんまり焦んないで穏やかに流れてゆきなさい」。カモが教えてくれました、と申すカッチン。





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2017年08月17日

今週、日曜日

風接近で20日へ延期になった「やまびこ花火大会」の準備が着々と進んでいる。今年で44回目。冬の例大祭に次ぐ、西米良の一大行事だ。その夜は村の人口の10倍(約1万人)ものお客さんが押し寄せる。いつもは閑散とした商店街に軽装の若い男女が闊歩して、幅7mほどの国道では年に一度の「渋滞」が起こる。「渋滞だ!渋滞だ!車が多くて向こう側に渡れん!キャッホ〜!」と、村の子どもたちは花火の副産物に大満足だ。

中学2年の時に初めて花火撮影に挑戦した。持っていた携帯用の三脚を目いっぱいに伸ばし、ヤシカエレクトロ35GLを付けてみると、ふにゃふにゃで横位置撮影ならまだしも、縦にセットするとパン棒の甘さですぐに画面が動いた。撮影情報はカメラ雑誌。シャッタースピードBのバルブ撮影もこの時に覚え、1枚のフィルムに何度も露光をかける「多重露光」に初めて挑んだ。小っ恥ずかしかったのか、怖かったのか、同級生をアシスタントに従え、墓場の近くの高台に三脚を構えた。

出来上がりは想像以上で、見たこともない色彩の花火が漆黒の闇に浮かんでいた。これまた初めて「キャビネ版」の大きさにプリントして、ビニールを剥がして貼る糊付きのアルバムにきれいにレイアウトした。

それから40年。花火の種類も、撮る側のカメラも技術も大きく変わったが、山々に響き渡る爆音のやまびこはあの時と同じだ。


今週、日曜日。涼しくなった山間の夜に「寝っ転がって観る花火」をご堪能されてはいかがだろうか。


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花火の写真は村からの依頼で撮影しています。当日は進入禁止です。
この場所からは撮れません。





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2017年08月16日

地元

の若い人は自分の出身地のことを「地元」という言う。少なくとも僕らの若い頃は言わなかった。どう呼んでいたかといえば「田舎」。その「い な か」という響きが地方から出てきた若者にとって恥ずかしいフレーズだったからか、いつの間にか「地元」に変わってしまった。おかげで昔のように出身地を隠すことなく、堂々と「地元は宮崎です」と若者は言う。

そんな80年代田舎っぺ若者も、夏の高校野球となれば声を張り上げて応援した。しかも勝ち進めば今度は自慢に変わり、野球以外の自然の美しさや、おいしい食べ物の自慢まで付け加えた。


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結婚してからは対戦カードによって微妙な応援を強いられることになる。本日の甲子園8日目の第4試合。宮崎と福島の対戦。過去にも何度かあったが、気を遣いながら応援しなければ日常の生活に支障をきたす。結果は5対4で福島の聖光学院が、延岡(宮崎)の聖心ウルスラ学園を退けて2回戦へ駒を進めた。

ダイジェストをじっくり観たが、エラーで負けるという何とも惜しい敗退であった。9回、請関君の起死回生の1発で一矢報いたが、時すでに遅く苦杯をなめた。


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我が家の空気といえば内容はともかく。出場14回目の聖光が、2回目のウルスラを上から見下ろす形になり、僕は悔しさを隠すために「こうなったら聖光には優勝してほしいな」と心にもないオトナの発言をして我が家の「地元対決」は幕を下ろした。




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2017年08月15日

「だまされませんか?」

日野菜の話で恐縮だが「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」をご存知だろうか。正式和名は「アカザカズラ」といい、「オカワカメ」という別名のごとく、葉を軽く茹でた食感は海藻によく似ている。さらに多種のミネラル含有量が豊富なこともあって「百薬」と呼ばれるようになったのだろう。

3年ほど前、宮崎市のあるお店でこれを卸しに来た生産者の方と話をした。

「だまされたと思って食べてみて下さいよ。私のこの頭。数年前までは禿げてたんですよ。ところがこれを食べ続けたら・・・、ほれご覧のとおり」

と言ってフサフサの髪を自信たっぷりに自慢した。たしかに禿げには見えない。

「だまされませんか?」
「だましません」

ご縁があったのか、その方と近所に住む叔母が友だちで「私も育てよるから苗をやるが」と雲南百薬に急接近。かくして我が家の菜園に加えると、放っておいても毎年勝手に茂らせる。今年はグリーンカーテンとして暑さ対策に貢献してもらおうと窓際にプランター植えした。


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これが全面を覆って大量に食せば効果も絶大だ。そう思いながらほくそ笑んでいると、いとこの兄ちゃんが届け物を持って訪ねてきた。

「かくかくしかじか。そのうちカーリーヘアをお見せするよ」
「残念じゃけど、まちっと昔から植えればよかったな」





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2017年08月14日

枝豆を食べ比べた

方への移住定住促進が始まって久しい昨今、「こんなはずじゃなかった」と描いた夢をあきらめて都会へ帰って行く人たちも多いと聞く。ここの出身者ではあっても25年「留守」にしていてた帰郷の頃。僕自身、生まれ育った時のような心持ちで暮らせるのか大いに不安だった。方言を思い出しながら米良弁で喋り、時間を割いてでも地区の会合に顔を出した。幸いすぐに馴染んだのは息子や娘。彼らの屈託のないコミュニケーション能力に学んだ妻も保護者会の役員に積極的に参加して少しずつ自分を取り戻していった。

習うより慣れよ。これができたら「慣れたら実行せよ」。これに限る。習うばかりでは愛想を尽かされるし、慣れたらどっぷり田舎の空気に浸かって描いた夢が遠のく。鉄は熱いうちに打て。慣れたら自分のやりたかった事をズンズン実行する。断っておくが、慣れないうちに始めると痛い目に合う。村びとはそんなに甘くない。

💥


前置きが長くなったが、東京でバリバリ活躍していたコピーライターの女性が全てを投げ打って百姓になった。場所は兵庫県丹波市。東京から一緒に帰郷したここ出身のご主人と、居にする古民家改築から始まり、土作り、そして野菜栽培。夫婦で鍛えたトライアスロンの肉体を武器に、ズンズン進む。

米良山は野菜が豊富だ。「陰ながら応援」を決め込んでいたが、彼女たちのネットショップに「枝豆」がアップされたと言えばだまっちゃいられない。さっそく注文して4種類の枝豆を食べ比べた。



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@ たんくろう
クセのないスマートな味。あっさりして酒を選ばないよい子。少々パンチが欲しい。

A おつな姫
小ぶりで大人し目の姿だが、味は一番気に入った。懐かしさの漂う土の香りがたまらん。

B 極うま
深い味を感じてしっかり噛んで味わいたい。全体に言えるが、まだ実が小さかった。

C 白鳥
主張のある味が個性的。さすがに ”はくちょう”。豆の毛がボサボサですごい。


・枝付きで美しく、すべて基準の味をクリア。ますますの研鑽を望む。なんちゃって。送料は気にならないので、「チルド便」で送れるように設定したらどうだろうか。この時期であったためか、1日で到着したが少々「ヘタリ」があった。

😃



追伸
とにもかくにも始まったものは覚悟を決めてやり抜いて下さい。そのうち九州にも行商にやってくるほどの成長を期待しています。ご一緒した数々の仕事を思い出せば、なにごとも乗り越えられることでしょう。ガンバレ!


ご注文はこちらへ

ことのはファーム HP

販売サイト
パスワードをお教えしますので、小河にお問い合わせください。



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posted by オガワタカヒロ at 23:45| 宮崎 ☁| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

幸せの場所

「わぁ、びっくりした。今、小河さんのコト考えてたんです」

若い女性にそんなこと言われたらおじちゃんドギマギしてしまうが、二の句があった。

「この提灯の風景。スマホで撮ったら暗〜くなるか、すっごく明るくなるか。どうしても上手に撮れないんです。小河さんが撮ったらどう写るんだろうなぁ、って考えてたんです」

そうでしょう、そうでしょう、そんなことでしょ。



ギャラリーの電気を消してシャッターの支柱を立てようとしていると、「呑みに行く」という顔なじみの女性が声をかけてきた。本来なら8月第1週に開かれる花火大会のために飾られた提灯が、花火延期のためお盆の今でも街角を照らしている。田舎の商店街がなんとなく都会に見えて夏のウキウキ感を高めるので、若い人たちは一層この灯が心地いいのだろう。

「それじゃお手本撮ってブログにアップするからね」
「ほんとですか!明日楽しみにしてます」
「呑み会楽しんでな」
「は〜い」


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幸せは身近なところにあるものだ。




posted by オガワタカヒロ at 23:08| 宮崎 ☁| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

巨典さん56歳

組を観て下さった方から「大笑いしましたよ」と次々にメッセージが届いた。今回は涙なしの大笑い企画だったようだし、協力させてもらった身としては期待どおりうまくいったようで安心した。そしてテレビの皆さんの「瞬発力」。これをどうコントロールするかが極めたテレビ人たる素養なんだなぁとつくづく感じた。巨典さん56歳。9月が誕生日だから僕よりひとつ先輩だ。

帰郷した翌年の9月に「JAGA天」にゲストで呼んでもらって以来、西米良がらみの企画に声をかけてもらってお会いすることが増えた。それからもう15年になるのにまったく変わらず元気だ。いや、もしかすると「カラ元気」の時もあるかもしれない。だがそれを微塵も見せないプロ魂。今回の企画で56歳の中年が「痛々しく」見えてはお話にならないのである。ところが現場で撮影していると27歳の藤崎君を圧倒するエネルギー。それは単に肉体のエネルギーという意味ではなく、番組制作へ対する強い信念ともいうべきエネルギー。この人が年下だったら「頑張ってるね」で終わらせそうだが、「おれも頑張んなきゃ」と思わせてくれる。そんな先輩はそうそういない。

という堅い話はここまでで、ひとまず写真を観て下さい。展覧会の準備で爆発寸前だった頭の中がスッキリハッキリした楽しい1日でありました。


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標高900mあたりで朝焼けをバックに撮る。この後、豪雨が襲い早々に退散。


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前の日から考えていた「ゴルゴ13」の劇画タッチに近づいた。ご希望の方は番組HPでダウンロードできます。 → 巨典vs祐貴 マッチョ対決

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笑った後は写真展へ。30日から県立美術館




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2017年08月11日

朝に書け

月はなかなか忙しくて心地いい。お尻に火が付かなければ動かない怠け者ゆえ、あちこちから締め切りが追いかけてくるというのはとてもありがたい。

3年ぶりの個展と写真集制作。これも残り20日を切った。おおまかな準備は終わらせたが、ギリギリになって色々やることが出てくる。引越しと同じで最後になって細々した荷物が積みきれなくなる、あれと同じ。ま、何十回もやっているのでなんとかなるでしょ。

追いかけてくるといえば今月の「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)。連載1年を過ぎた8月は通常の月末日曜に加えて、「夏休み編」が組み込まれている。支局長氏から「個展が近づいてるけど、どう?」と気遣ってもらったが、「では甘えて」なんて言うんじゃ男がすたる。19、20、21日。3連チャンをカラーでお届けする。とは言え写真に加えて400ワード前後の原稿を書かなくてはならない。これに集中するのが早朝。

まだ月も帰らぬ5時頃から涼しい朝風が入る窓際で、今日が始まる時間を借景しながら書きまくる。ペンが止まると外へ出て庭の野菜を収穫する。そうすると不思議と次の一行が書けてしまう。


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恋文は夜書け、というが、多くの方に伝える「手紙」を書くには朝が絶好だ。



お知らせ
土曜日のお昼12時からの「じゃがサタ」(UMK テレビ宮崎)の後半で小河登場いたします。ちょっと面白いです。




posted by オガワタカヒロ at 23:53| 宮崎 ☁| Comment(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月10日

M8に装着

だちが夏休み中のお子さんを連れてやって来た。「西都まで来たんで『カレー食べに西米良まで行くか』って子どもに言って来ちゃった」。嬉しいねぇ。そのフットワークが写真を撮る人間には不可欠だ。そう、彼もカメラマン。ひとしきり写真の話をして見せてくれたのがライカM9。ライカがデジタルカメラを生産し始めて2台目の機種だ。

デジタルになって厚みが増したボディーの違和感に少々戸惑うが、ボディとレンズの「年齢差」が50年はあろうというのにピタッと収まる眺めは惚れ惚れする美しさだ。「いいな、いいな」を連発していたら、こないだ買った「エルマー90mm F.4 沈胴式」を思い出して装着させてもらうことになった。こちらの年齢差は63年!まだカラーフィルムで撮影したことがないので、これはうれしい ^^


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独特のボケ味としっかりしたコントラスト。とても半世紀以上前のレンズと思えない描写力だ。

君が生まれた63年前の色はどうだったのだろうかね。


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小生のM6に装着したエルマー90mm






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2017年08月09日

景観に馴染んだ風景

ンスとは不思議なもので、行った行為が悪であっても、その行為に潜む鋭い感覚が伝わってくるものであれば、受けた人の怒りをも抑えてしまう力がある。叱った子どもに上手い言葉で反論されて怒る気がなくなったり、落書きされた壁の絵があまりにも素敵で消せなかったり。

山中を撮り歩く途中、いや、通り過ぎて戻って来た、というのが正しい。つまり通り過ぎるほど景観に馴染んでいて気がつくのが遅れたというわけだ。


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これがデジタル時代の薄型大型テレビであれば「誰がこんなところに!」と、眉間にシワを寄せて撤去するところだ。ところがこのテレビの色といい置かれた場所といい、それに昭和36年生まれの人間にとっては「同志」ともいえるこの型式。アトムやソランやマグマ大使を流して全国の子どもたちを釘付けにした僕らの仲間だ。

知り合いの山主が家から出てきたテレビを置いたであろうと、容易に想像がつく。不法投棄どころか、りっぱなオブジェとして成立しているセンスに、一本取られた気分だ。





posted by オガワタカヒロ at 23:53| 宮崎 ☁| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

恋いこがれて

良の夏まつり「やまびこ花火大会」が20日(日曜)へ延期になった。英断が功を奏して大きな影響や被害もなく12日先へ向けて準備が進んでいる。

商店街が華やかに飾り付けられる時期が年に2度ある。花火の提灯と、クリスマスイルミネーションの飾りつけだ。夜8時を過ぎると真っ暗闇の街並みが、ニシタチ(宮崎一の繁華街)かと思わせる明るさで、なんとなくウキウキした気分にさせられる。設営するのは商店街の青年部や村の青年会。夏の花火は役場の若手職員も参加して賑やかに、速やかに飾りつけが行われる。

ザワザワと外が騒がしいので表へ出てみると赤い提灯が道路脇に並べられていた。これを一斉に店舗の玄関先に掛け吊るすのだ。


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脚立に上がって提灯を吊るしているのは、自動車工場の祐樹君、

「カメラ目線でいいんすか?」と言えば、

脚立を抑えて先輩の安全を確保したのが、役場職員の凌貴君。二人とも西米良で生まれ育ち、子どもの頃から神楽を舞い、中学を卒業すると村を出て進学した。祐樹君は父の後を継ぐために専門分野で修業を積んでこの春に帰郷。凌貴君は大学を出て昨年春に役場へ入庁した。

僕が帰郷した2001年時は、中学生と小学生。恋いこがれて帰って来る米良の若者が増えている。




posted by オガワタカヒロ at 23:42| 宮崎 ☁| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月07日

すべての本に共通した想い

の出版も4冊目になる。帰郷して初めて開いた展覧会で精魂込めたプリントを間近で見てもらうことが嬉しかった。それから5年ほどして初めての写真集を出した。展覧会との大きな違いは、広く、多くの方の目に触れることだった。本の一人歩き。様々な地方からのご感想、昨年は熊本地震の復興にも一役買った。本の役目を肌で感じて「自分の手で最後まで作りたい」と考えたらもう止まらない。「アサンポンノススメ」はそんなわがままな思いからスタートした。

僕の住む「竹原(たけわら)地区」を中心に村の朝を写した。「さんぽ」を隠れ蓑に、早朝からズンズン森の奥へ入って朝の生まれる瞬間に立ち会うとバーチャルでは得られない、なんとも言葉に表わしがたい幸福感に包まれた。

お裾分けを本にしてみなさんに感じてもらいたい。かつて僕がそうだったように、恋いこがれているのに戻れない、それでも生まれた村が一番好き。ここを離れた出身者たちにひときわ届けたい。出版したすべての本に共通した想いだ。

今度の本にはここで育ったふたりの若者が力を貸してくれている。イラストを描いてくれた「たづめともき」君と息子の「小河 舜」。100ページを淡々と写真が並ぶ中、ちょうど真ん中の50ページ目にともき君のイラストが入る。アサンポへ行く時のスタイルと途中で出会う動物たちのイラストだ。舜は「結いの村」に続いて、僕の想いと全作品に付いたタイトルの英訳。直訳なら簡単だが、撮りながら感じた感覚を訳してくれた。これは親子でなければスムーズに進まないだろうなぁと思った。


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村を愛する人が手に取って、ページをめくり、質感を確かめながら西米良への愛を新たにする。



村で生まれる本が少しずつ姿を現してきた。





posted by オガワタカヒロ at 23:55| 宮崎 ☀| Comment(0) | アサンポノススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月06日

難を逃れた

内放送がひんぱんに台風情報を流し始めた。2004年と2005年に襲来したウルトラ台風以来、村民にちくいち情報を伝達して防災を促している。役場の女性職員の声は淡々と冷静に聞こえるので、今のところそう大きな災害は出ていないようだ。くだんの台風の時にはその声が裏返り、緊迫していた。


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時折吹く突風で金属製の雨戸がガタガタと音を立てて揺れる。光の入らない部屋では時間の感覚がおかしくなって、「そろそろ腹が減ったな」「あら、お昼かしら」といった具合で僕らは終日を過ごした。

夕方5時頃、蝉の声がひどく耳に届くようになった。雨戸を一枚開けてみる。わずかだが空が明るくなっていた。風も弱まったようだ。

テレビで確認すると、停滞気味だった速度が15qに上がって、日向灘を北へ向かっていた。予想より海寄りに進路を変えたという。沿岸部はまだ予断を許さない状況だが、どうやら西の山間部は今回の難を逃れたようだ。

「これで終わりか」と覚悟を決める台風シーズンがいよいよ始まった。




posted by オガワタカヒロ at 22:53| 宮崎 ☔| Comment(0) | 戦う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

腹ペコな時間に

「商品には手を出すな!」という歌があった。ダウンタウンブギウギバンドだったと思う。

ギャラリーの軽食でカレーライスを出すようになって2ヶ月ほど。なにせ無類のカレー好きだというのに、腹ペコな時間に人様へお出しする湯気の上がったカレーを何度も見送る。これはたまらんよ、はっきり言って。しかもだんだん味が良くなってきてるんだから余計だ。

朝から台風5号の影響で風が強まってきたので5枚ある店のシャッターを2枚だけ開けているにも関わらず、村外からのお客さまが来てくださった。辛さ2倍をお二人で注文されてお帰りになる。

1時を過ぎたので、
「さすがに今日はこれで終わりだろ」
と言う顔が物欲しげに見えたのか
「食べるの?」と笑いながら妻が言う。

明日は休むだろうし、食べてしまわなきゃもったいない、という正当な理由もあるし・・・。え〜ぃ、もう我慢ならん、食っちゃえ。


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また商品に手を出した。






posted by オガワタカヒロ at 23:55| 宮崎 ☁| Comment(0) | 美味しいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

2週間後の20日(日曜日)に延期

日に予定されていました「第44回 やまびこ花火大会」は2週間後の20日(日曜日)に延期となりました。木曜日の夕方、執行部の慎重な検討会が行われ、「台風5号の接近では延期も止むなし」との決断だったようです。


💦



延期になったことは何度かあるが、中止は一度だけ。7年前の口蹄疫事件の2010年に連続が途切れた。したがって初回は45年前の昭和47年。小学5年生だったが、花火大会といえば村のあんちゃんたちがこずまって(集まって)、買ってきた打ち上げ花火を派手にやりまくる、といった実にローカルな催ししか知らなかった。

もともとは商工会が企画してこじんまりとスタートしたが、予想以上に人気が出たので村の応援が入って規模が拡大した。責任者を任された当時の観光課長の父が言うのだから間違いない。

子どもの僕らにしてみれが今までの花火とは比べものにならない大輪と爆音におののき、祭りといえば厳冬に神楽を奉納する大祭しかなかったところに、憧れの夏祭りが始まったのだから、それはそれはウキウキしたものだ。高校へ行ったねえちゃんたちが浴衣を着て街を闊歩すれば、青年団のあんちゃんたちはポマードを髪に塗りつけて、村でできるオシャレにご満悦だった。


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5月、花火会場の入り口付近で起こった国道崩落災害で開催も危ぶまれた。そして今度は台風。楽みにしていたお客さんには大変申し訳ないが、忙しさも落ち着いた20日は、ゆっくり、まったり花火を楽しめるのではないだろうか。



posted by オガワタカヒロ at 23:30| 宮崎 ☁| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

写真展と写真集のご案内

30日から展覧会「アサンポノススメ」を開きます。詳細は先日お伝えしましたが、同時に写真集も発売になります。ここで公開した作品も多く含まれていますし、過去に開いた展覧会の作品もあります。
 
今回の新たな試みは、小河の著書を専門に出版するブックストアを開設したということです。その名も「CAMERA MERA BOOKS / カメラメラ ブックス」。第1回目の私家版記念本が、写真集「アサンポノススメ」です。今後は西米良に留まらず、より自分らしいスタイルで、このカメラメラ ブックスから発表を続けてゆきます。
 
写真を撮る行為は自己完結です。シャッターは自分の感覚と直結します。写真集の制作もそうありたいと考えました。

ご予約はHPのSHOPのBOOK ⇦ (クリックしてください)からでも、メールでも結構です。発売初日は29日、県立美術館です。観覧にお越しの方はその時のお渡しになります。遠方の方は展覧会が終了した後の発送になります。送料、郵便手数料を加えた金額は後ほどお知らせします。

展覧会会期中は、全日、全時間、在廊しています。

お会いできれば幸いです。


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案内をクリックすると拡大します。100ページ、94作品を収録。全作品に日本語と英語のタイトルが付いています。ページの真ん中、50ページあたりに散歩へ出かける時のスタイルやグッズ、途中で出会う動物たちのイラストが描かれています。作者は村のイラストレーター、田爪智樹君。理容 「フレンド」でおなじみです。日本語のタイトル、展覧会、本の説明を英文に翻訳してくれたのは、息子の小河舜です。

横本の「PUR無線綴じ」という製本で、ページが180度開きます。見開きで約600mmになりますので、迫力があります。


写真展の詳細
クリックすると拡大します ↓

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posted by オガワタカヒロ at 20:59| 宮崎 ☁| Comment(0) | アサンポノススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月02日

見たこともない様子

日友だちと、ネットリテラシーの話になった。その人は職場でもネットを駆使した環境で仕事をしているがブログもSNSもやらない。

「公開されて迷惑した」と話を切り出してきた。僕も「そうだ、そうだ」と激しく同意したのが、飲み会写真の投稿。店の様子や酒を頂くイメージ写真ならまだしも、ご本人、他メンバーが羽目を外して普段では見たこともない様子で写ってらっしゃる写真。見なくていいものが目に飛び込んできた、という思いでタイムラインをスクロールするが、印象が強いだけに記憶に残る。投稿された方はいいだろうが、公開されたくなかった同席のメンバーにしてみれば楽しかった飲み会の翌日、その写真を目にして、なんともやりきれない気分になるだろう。「この写真、SNSにアップしても構いませんか〜」と声かけぐらいの配慮は欲しい。

個人的に苦手なのは、著名な方とのツーショットを公開する方や、人がアップした写真のコメント欄に、真っ先に自分のことを書き込む人。そうはいってもあくまで個人の判断で公開されるわけで、嫌悪をいだく人はスルーすればいい。だが自分がそれに巻き込まれると、これまた厄介な気分になる。

「いい写真!」から「写真いい?」という、難儀な時代になった。



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どことなく秋っぽさが出てきた朝の散歩道




posted by オガワタカヒロ at 23:49| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

今日の頂き物

中を撮影して歩いているといろんなものを頂く。お米や野菜は日常だが、今日はなんと、クラカメ。正確に言えば頂いたわけではないが、「使えるんなら撮ってみて」と渡された。しかもいつかは会いたいと思っていた昭和30年製造のマミヤ6。


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60年以上も前のカメラだ。しかも状態がいい。この手のスプリングカメラは蛇腹が破けていたり、レンズの出し入れができなくなる故障が多いのに実に美しく保たれている。それにシャッターも絞りも巻き上げも快適に稼働する。大手の会社にお勤めの頃、社の倉庫で眠っていた昔のカメラを1台頂いたのだという。

「上からのぞく外国製もあったよ」
「ひやぁ、もしかしてローライだったかもしれんですね」
「なんか知らんけど外国製って・・・」
「そっちも見たかったなぁ」

実はここのお宅の側から見た集落の様子を写真集に収めたく撮影に来たのだ。決めていたフレーミングに朝日が差し込んできた。うねった農道にこれまたグッドタイミングで軽トラがやって来た。思い描いていた光だ。


クラカメに朝日。今日の頂き物のお返しは大変だ。



posted by オガワタカヒロ at 23:47| 宮崎 ☁| Comment(0) | カメラのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月31日

最高の仕上げに

真をどこで何の媒体で観てもらうのか。写真家にとって重要なファクターと言える。さまざまなディスプレイで写真を見られるようになって久しいが、反射原稿であるプリントや印刷はそれぞれの特性に加えて、見る場所の光源によって違いが生じる。突き詰めれば「正しい色や明るさ」を共有することがなかなか難しい。

写真集の制作を印刷会社の方と進めている。最終的には機械が刷り出すものであっても、そこへ到達するためには人同士のしっかりしたコミュニュケーションが必要だと改めて痛感している。手前味噌だが、いいものができそうだ。

しっかりしたコミュニュケーションを取ってもなかなかうまくいかない時もある。昨日掲載された連載「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)は新富町へ伺って「湖水ヶ池公園(こみずがいけこうえん)」の蓮の花を撮った。朝焼けが湖面を照らし始めると、白く大きな蓮の花が現れて幻想的な風景になった。

印刷でもプリントでもシャドーやハイライトに寄った写真は難しい表現になる。階調が微妙であるため、グラデーションを美しく出すにはアウトプットの性質を把握したデータ作りが必要になってくる。新聞印刷や紙質という条件を差し引いても納得できる仕上がりではなかったと伝えると、担当の方から恐縮して連絡を頂いた。こちらこそだ。ちなみに妻が新聞を見たら「あら〜キレイ」と言うので、普通に見て問題はないのだが、最高の仕上がりにするためにはもう少し踏み込めたはずだ。

どうのこうの言っても観る人はプロセスなど関係ないのだ。プロであれば全てを考慮したうえで写真を送り出すべき。


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写真をクリックするとHPの「撮らずにおられん!」へつながります。記事の写真は入稿データをはめ込んであります。





posted by オガワタカヒロ at 22:11| 宮崎 ☀| Comment(0) | 写真で伝える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月30日

肉眼で撮るように

の各地区で「奉仕作業」と呼ばれるボランティアが始まった。住んでいる地区の道路沿いを中心に草払いを行って住みやすい環境を作る。たまたま道端に育ってしまった植物は草刈機できれいに散髪され、景観美に一役買う。だが一言に「景観美」と言っても見慣れてしまえば美の基準がどんどん上がってくるものだ。

朝6時の「西米良村民歌」が防災スピーカーから流れると、地区のあちこちで草刈機のエンジン音がこだましてきた。草刈機は一応所持してはいるが、素人のおれが持ち出して作業の中心で働くなんて、まったくもっておこがましい。今回も竹箒を握りしめ我が3組地区の真ん中を走る村道へ向かった。

草刈機部隊が道端の草を払い、竹箒班が積み上がった草を山側へ履いて行く。若い人の中にはスコップで側溝の泥を上げて水の通りを良くする者もいた。

地区に広がる棚田を一望できる場所まで作業が進んだ。2年前に開かれたアートプロジェクト「たこらさるく」の作品を制作展示した場所だ。それぞれがたわいもない世間話や、米の生育の話で休憩を取る。ふと北の方向へに目をやると山並みに浮かんだ霧がとんでもなく美しい。ひとりで興奮して携帯していたコンデジで撮り始めると「毎日のこっちゃからな」とさほど驚くでもなく「さて、まちっとじゃ。次いくか」と作業が再開された。


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まだまだ修行が足らん。これくらいの景観で驚いていては村民たる名が廃る。肉眼で撮るように、いや、撮ってはダメだ。毎日のこっちゃから、撮らないで撮らないと写らない。




posted by オガワタカヒロ at 23:33| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

圧倒的な自然色

のホオズキが豊作だと書いた。赤くなる頃にホオズキ栽培ハウスの隣で「一緒に寝る」と言う中武ファームの洋文君が言うのだから間違いない。仕事帰りの温泉でその言葉が現実だったと分かった。温泉の玄関からお湯に向かう通路の両脇が、眩しいほどホオズキ色に染められている。

人の認識する色というものは幼い頃に持ったクレヨンや絵の具から始まって、本やテレビ、今ではモニターを通して色を感じることが多い。特に都市部にいる人たちの感じる色はほとんどが人工的なものではないだろうか。

村で暮らしていると人工の色が不自然でならない。それはどんなに高性能なモニターや超精細テレビを見ていても同じだ。そしてこのホオズキを目の当たりにすると、圧倒的な自然色に言葉を失ってしまう。美しい水と空気で育った朱色を、人の肉眼が捉える。都会に残された自然はもはや人間しかない、という風な言葉を聞いたことがある。

西米良のホオズキ ファンは都市部に多いと聞く。うなずける気がする。



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posted by オガワタカヒロ at 23:55| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月28日

川床でめしでも食べんね

が用事もないのにスタジオに寄って「これ、もらったから」と、たった1個か2個の野菜を持って来るようにると、黄色の信号が点ったと思って間違いない。その行為の裏側には「淋しい」の意味が含まれている。

8月30日から開催する個展「アサンポノススメ」(宮崎県立美術館)の準備と、同時に発売になる写真集の制作に追われている。朝は相変わらず早く、夜は温泉の閉館に間に合う10時ギリギリまでパソコンと向き合っている。写真データの調整と、印刷所との綿密なやり取りで両親の隠居を訪ねて会話する暇もない。しかし、ふたりにとってはおれだけが頼りなのだ。息子が忙しいから気を遣って距離を置く、なんてことはもうできなくなっている。淋しいものは淋しいのだ。

おととい、「金曜日が店休みじゃから『川床』でめしでも食べんね」と言うと「いく〜〜。連れて行きない」と飛びついた。早速予約を取って、西米良 夏の風物詩「川床」(撮影/小河)で食事をした。(ポスター撮影当時は上段席のみだったが、今は下流側に同じサイズの客席が広がっている。)


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橋の下、という意表をついた場所と、来てみればそれを忘れさせる快適な環境がウケて、多くの来村者が詰めかけている。平日のお昼前だったこともあって予約のお客さんもまだ来店しておらず、ほぼ貸切で「川床弁当」を頂くことができた。

なんてことはない時間がゆっくりと過ぎてゆく。

「熱中症で倒れるお年寄りが増えとるからな。クーラーかけて涼しくしとらにゃいかんよ」
「電気代がもったいないしてよ」
「命の方がもったいないわ」


涼風が吹き抜ける中、元気そうなふたりの顔を見て安心しましたよ。





posted by オガワタカヒロ at 23:15| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月27日

魔法のハット

月30日の展覧会前日、29日から同名の写真集も会場で販売する。詳しいことは後日書くことにして、散歩へ出かける時の出で立ちも載せようと思っている。普段はランニングシューズ、山へ入る時には長靴だ。ヒルに襲撃されないための濃い塩水の入ったスプレー、虫除けスプレーも必需品。

その中でもこだわっているのが、ハット。いつ買ったのか覚えていないほど昔のものだが、これを被るとスイッチが切り替わって「撮る人」に変身できる。僕にとっては魔法のハットだ。これも載せるのだが、美しい風景写真が並ぶ中に自分の姿が現れればページをめくった人が一気に興ざめすることは必至。そこで考えた。写真をやめてイラストでいこうと。

こういう商売をしてきたからイラストレーターという職業の方ともお付き合いはある。だが、なんだか、こう。違う気がして、できることなら米良の人に関わってもらおうと彼に白羽の矢を立てた。散髪屋のトモキ君だ。9年前に行った「夏米良芸術祭」で、村民の似顔絵を描いてバスの室内に貼り巡らし村中を走らせた。その時のアーティストが彼。「頼むわ」「俺でいいんすか?」。これで承諾してくれるのだから、ほんとうにありがたい。妻に写真を撮らせてトモキ君に送った。

「小河さん、今描いてるんですけど・・・。あの〜」
「どう、難しい?」
「いや、その。実はですね、このハットの顔がどうにもこうにも、犯人チックになってしまって・・・」


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「・・・・・」

君のせいではないよ。おれが見てもそう思う。

「後ろから撮った写真を送るから、うん。だいじょぶだ・・・」


ハットの中身も薄くなれば、魔法の神通力も薄れるんだねぇ・・・。





posted by オガワタカヒロ at 23:52| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アサンポノススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月26日

惚れ惚れする色と形

事帰りに寄る温泉のエントランスに朱色のホオズキが束になって売られている。1mほどの物でも2,500円以内で買えるので、あっという間に売れてしまう。村の特産物として市場に安定供給されるようになって20年ほどだろうか、連作障害や徹底した品質管理を要求されることからベテラン農家でも油断すれば簡単に裏切られるそうだ。

「ヒロフミ!」と呼び捨てにするのもおこがましい歳になった中武ファームの洋文君が、くだんのホオズキを持ってギャラリーを訪ねてくれた。彼が農業の武者修行を積んだブラジルから戻った2002年頃、初めて話をした。生き生きした目を見て、これからの西米良は若者を前に押し出してやらねばと、「西米良発 若者図鑑」の撮影に至った。

「去年は苦戦したんですけど、今年はなんとか持ち直しました」
惚れ惚れする色と形に「さすが」というと「いやいや」と照れた。

「プロの前でお恥ずかしいけど、おれも家庭菜園やってみて。その、なんていうか。植物が育つ楽しみと神秘を感じてよ。もっと早くやればよかったって思うよ」
「楽しいでしょ ^^」
「ホオズキが育つ頃、ハウスの近くで一緒に寝るって言ってたお前の気持ちが分かるわ、ほんと」

ゆっくりしていけよ、という間もなく「次、行きますね」と言うとギャラリーの玄関へ向かったが、思い出したように振り返り「カレーがうまそうでですよ。食いてえっちゃけど、今度ゆっくり子ども連れて来ますわ」


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カレーのことも嬉しかったが、あのヒロフミが「子ども連れて」と当たり前のように言う瞬間がとても心地よく、ずいぶん長い時間が経ったものだと帰郷後の歴史を振り返ってしまった。



posted by オガワタカヒロ at 23:57| 宮崎 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月25日

早起きは・・・

起きする人が偉くて、寝坊する人が偉くないということはないが、早起きすれば1日を長く使えるし、普段見られない景色に遭遇して得した気持ちになれる。「早起きは三文の徳」とはよく言ったものだ。

週末、29日(日曜)に掲載される連載 R「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)は新富町「湖水ヶ池公園」の蓮池を紹介することにした。先日テレビを観ていた妻が「近くにいいところがあるのねぇ」と教えてくれたので、「じゃぁ君も行くか?」と言うと「いくいく」と言う。写真屋というものは撮る前に撮りたい絵を想像して、まずはその絵に近づけようとする。今回の場合、日向灘から昇り始めたお陽さまが照射した蓮池と、開花した蓮の花を収めたいというのが「撮りたい絵」だ。

朝、3時半起床。4時に家を出て5時過ぎに湖水ヶ池公園に着いた。想像していたよりはるかに広く、北側の広場に車を止めて左回りで湖畔を歩いた。湖の縁に建つ水沼神社を正面から捉えるが、開花した花が少なくしっくりこない。結局ひと回りして見つけたベストポジションは車を止めたすぐ右回りの場所にあった。つまり、周囲1キロの湖畔を1周した最後の場所で撮影できた。


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いい場所が見つからず焦る。ベストショットは日曜日の毎日新聞を見てネ



「早起きしていいものを見せてもらったわ。ありがとう」。妻が赤く染まった朝日に向い、諸手を挙げて深呼吸した。

「早い時間にスーパーへ行くと、野菜、お肉、お魚が安いのよ。帰りに西都のスーパーに寄ってくれる?」

なるほど。早起きは三品の得、ということか・・・。



posted by オガワタカヒロ at 23:47| 宮崎 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月24日

肝を抜かれた

地に比べると山間部の工事は困難さが増すのではないかと、素人考えだが思う。

2001年に帰郷して16年。西都〜西米良間の国道219号で6本のトンネルが抜けた。土地の状況、重機や技術の進歩、工事後の道路メンテナンスを考慮すればトンネルを抜くという結論に至るのだろう。ともかく、「秘境」と呼ばれた米良山へのアクセスが格段に良くなることは歓迎すべきことだ。もちろんそれによって失うものもあるという認識を、造る方も見守る方も少なからず意識しているということは付け加えたい。

村の中心地、村所(むらしょ)から7キロほど宮崎方面へ下りた所に「横野」という集落がある。ここから東側の村境越野尾地区までの9キロが、いわゆる「難所」として残った区間だ。地図上の直線距離が300mほどの場所でも、地形に沿った従来の道路を行くと1キロも遠回りになる。そんな場所が何箇所もあるが、すでに2本のトンネル完成で回避され、さらに3本目のトンネル工事が始まっている。

その現場を通りかかってギョッとした。


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斜度ほぼ90度の岩場に小型のユンボが吊り下がっている。工事区間であるから離れた場所に車を置き、歩いて近づいたが、いやはや。工事云々より、これを運転されるオペレーターの度胸に肝を抜かれた。高所を好まない者にとってはとても現実とは思えない眺めだ。


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完成すればたった数分で通過してしまうトンネルだが、それまでには数々のドラマがあるんだろうなぁ。なんて7本目のトンネルが抜けた後も、この光景を忘れないように目に焼き付けておこうと思う。




posted by オガワタカヒロ at 23:44| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

わろた、わろた

「こんげな暑い日にゴルフをせにゃいかんていうのも大変じゃわ」
「そんげなこと言わんで〜、わたしたちの仕事が上がったりじゃわ(笑、笑)」

第4回目になる「たけわら一致会 ゴルフコンペ」が、新富町(宮崎県)の座論梅GCで行われた。連日猛暑が続き、今日も朝から30℃近い気温だ。クラブを預けるゴルフ場のエントランスで、キャディーさんと交わす会話が半ば冗談にもならなくなった。

西米良村で第二の人口を誇る(180名と少し)我が竹原(たけわら)地区は、村一番の耕作面積を持つ農村地帯だ。100年ほど前、地区民一致の大事業を興し、広大な田んぼを自らの手で作り出した気骨ある地区だ。現在は兼業農家がほとんだが、今の時期は田んぼも一段落している。猛暑だろうが炎暑だろうがゴルフにはうってつけなのだ。

相変わらず和気あいあい。爆笑しながらのラウンドは何ものにも代え難い楽しさ。31℃の炎天下18ホールをなんとか回りきって、新富町から1時間かけて帰村。その後、公民館の一室を借りで19番ホールは直会の宴。ビール、焼酎、ガブガブ呑んで腹の皮がよじれるほど、わろた、わろた。


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16日前に同じコースを回っていたのが幸いした。39・44 の 83。優勝トロフィーを頂いて次回の幹事を仰せつかった。




posted by オガワタカヒロ at 23:51| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | golf | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする