2018年02月23日

小河塾初の「大賞」受賞

高勲さんが宮崎県美術展 写真部門において遂に頂点を極めた。小河塾初の「大賞」受賞だ。

昭和18年生まれの今年75歳。人生の大先輩であるが、9年前に写真小河塾の門を叩き本格的に写真を始められた。竹を割ったような性格と一心不乱に努力される姿勢でメキメキ力を付けてきたが、色を意識させない光と影を捉える目が特に優れていた。

4年ほど経った頃、「潔くモノクロオンリーで撮ってみませんか」とアドバイスして日高さんはカラーで撮影することを止めた。それからというもの、舌をまくほどのイイ写真を物凄い数撮ってくる。光を捉える確実な目と、圧倒的なバイタリティーに裏付けされた努力を作品は裏切らなかった。

普通の会社なら定年から15年も過ぎたご隠居様でもおかしくないのに、社員を率いる会社の代表として日々県内を奔走する現役のビジネスマン。「時間がない」「寒い」「暑い」「よだきぃ(面倒だ)」という文字は日高さんの辞書には無い。


小河塾会長に就任されて3年。会社、家族、そして写真。どれも全力投球で向かわれる体力と精神力にいつも圧倒されながらも大きな刺激をもらっています。「先生のおかげです」とどこへ行っても仰ってくださいますが、僕は「日高さんのおかげです」と心の底からお礼を言いたい。

おめでとうございました!


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菊池渓谷にて・獲物を狙うように景色を見つめる日高さん


作品展示は3月3日(土曜)から開会する第44回宮崎県美術展でご覧になれます。会期は18日(日曜)まで。詳しくは ↓ をクリックしてご覧ください。

第44回宮崎県美術展





posted by オガワタカヒロ at 23:28| 宮崎 | Comment(0) | 写真 小河塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

古いやつが出てきて

買ったことを忘れてしまい、新調したものを喜んで使っていると戸棚の奥からまだ使える古いやつが出てきて、たいそう腹が立つ。ということはないだろうか。

普段は大きなトートバッグを持って歩いているが、車を降りる時には小さなバッグが必要だ。B6の手帳と長財布、名刺が入れば十分。薄型のバッグを使っていたがショルダーがないので買い換えた。久しぶりにポーターを買って「ちょうどいいちょうどいい」と帰宅した。探し物をして、めったに開けない戸棚を開けたら昔買ったグレゴリーが出てきた。「同じ大きさじゃないか・・・。そういえばこないだも中間スイッチを買って帰ったら引き出しに昔買ったやつが入ってた」


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安価なものが出回り、昔より買い物をしやすい環境になりすぎた気がする。と、商品のせいにしてみる。





posted by オガワタカヒロ at 23:54| 宮崎 | Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月21日

楽しく生きる知恵

「気がついた?」朝起きて家人の第一声。・・・はてな。髪を切ったのは先週だし、ここ数日家族の誕生日や記念日は記憶にないし。

「梅よ、ウメ」

鎌をかけずに「玄関の梅がようやく咲いたわよ」って言えばいいじゃないか。ま、余計な気を使ってキッチリ目が覚めたのでよしとしよう。


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Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 20mm F4


我が家の周りに特別花が多いわけではないが、ここまでの自然環境で生きていると植物のうつろいで季節を感じることが日常だ。

帰郷した頃、「草花が次々に入れ変わって季節を告げてくれる」と喜んでいた非日常も、もはや日常。梅が暦を知る由もないが、季節を迎えてほのかな香りを漂わせている。

繰り返される日々にささやかな幸せを見出すことが、楽しく生きる知恵なのかもしれない。




posted by オガワタカヒロ at 22:48| 宮崎 ☁| Comment(2) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月20日

鐘と山々

「鋳金」(ちゅうきん)という聞き慣れないアートを知ったのは2年半前。宮崎県立美術館が主催するアートプロジェクト「たこらさるく」に参加したときだ。彫刻家の大野匠(宮崎大学 准教授)、杉原木三(鋳金作家)両氏と2ヶ月間同じ場所で作品を制作して、その過程を公開する展覧会。ふたりの手作業で作品を生み出すストイックな創作姿勢に大きな刺激を受けた。

その鋳金作家、杉原木三さんのプロジェクト「鐘と山々」が宮崎県高原町で行われている。今回も西米良で制作した「誕生の鐘」に取り組んで、3月4日には鐘の音をご披露する会もあるようだ。名前のとおり赤ちゃんが誕生したら鐘を鳴らして皆に知らせ、幸せを祈るという木三さんらしい優しい作品だ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:56| 宮崎 ☔| Comment(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月19日

ウソ

い訳にも色々ある。携帯電話が普及し始めた頃、どこに居ても繋がってしまう煩わしさから、ウソの効果音を鳴らすアリバイ工作用グッズが発売されたこともあった。人は多かれ少なかれウソをついて生きている。「嘘も方便」というくらいで、丸く収まるのであれば正しいウソはついていいのだ。


またレンズを買った。


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Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 20mm F4 ・東西ドイツ統合前の1961年10月に東から発表されて、1964年11月に市場へ出回った。「同級生」で、僕が物心ついた頃に世に出てきたレンズ。なんというご縁だ。

名門カールツァイスが満を持して発表した超広角20mmレンズ、開放値はf4。当時も大人気となり、世界中の写真家達がこの「フレクトゴン」を愛用したそうだ。まだ本格的なテスト撮影は試みてはいなが、ツァイス独特のトーンと、歪みの少ない設計を確認して独り悦に入っている。


レンズの入った宅急便を妻が受け取った。

「領収証は?」
「こないだ渡した。ほら、コンビニ払いの、あれ」
「あれ、これだったのね」
「そうです。でも『撮らずにおられん!』で使うんだ・・・」
「そう、おめでとう・・・」

ウソじゃないぞ!

週末を見ておれ・・・。





posted by オガワタカヒロ at 23:21| 宮崎 ☔| Comment(0) | カメラのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

田舎もん

分が決定的な田舎もんだと悟ったのは小学校2年生の頃だった。どこへ行っても臆することのない性格で、田舎だ街だと考えたこともなかったがそれを覆すほどの赤っ恥をかいた。理由は田舎もんだったから。

正月にもらったお年玉でおもちゃを買うというのが新年のイベントだ。それも国鉄バスで3時間かけて山を降りた「橘百貨店」の5階で買う。その年も家族で出かけておもちゃを買うと、母の買い物が終わるのを父と弟と一緒に百貨店の出口で待っていた。母がなかなか出てこないのを見かねた父が「孝浩、3階の売り場に行ってお母さんを呼んできてくれんか」と言う。僕は言われたままに駆け出し、入口を入った左側のエレベーターに飛び乗った。

当時は宮崎にもエレベーターガールがいて、行き先階まで案内してくれていた。飛び乗ったエレベーターには僕とそのエレベーターガールだけだ。何があってもビビらない自信があったのに、村では見たこともないキレイな女の人を見上げたらどんどん緊張してきた。

「坊や、何階に行きましょうか?」
母の怒鳴り声とはぜんぜん違う。こんなに優しい声で話す女の人は初めてだ。
「・・・・・」
「行き先は?」
ビビったんじゃない、恥ずかしかったんじゃない。分からなかったんだ。
「あの〜・・・」
「うん?なぁに?」
「あの〜・・・。いくらですか?」
おねえさんはクスッと笑って、
「お金はいらんとよ〜 」

顔から火が出るとはこのことだ。身動きができないほど身体が凍りついた。下から見上げたおねえさんの表情は今でもしっかり覚えている。3階に着いてドアが開くと一目散に売り場へ走った。


田舎もんだから体験できた価値あるできごと。そんな山猿が写真に目覚めると、花の東京へ出て横文字職業の聖地「南青山」でスタジオを構え、コマーシャルフォトグラファーをやっていたのだから人生わからんもんだ。

西米良が与えてくれた感性が僕を何度も救ってくれた。そんなこんなの想い出話も含めて、最後には作品をスライドショーでお観せしたいと思う。月末、28日(水曜日)。おひまならどうぞお越しくださいませ。


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posted by オガワタカヒロ at 23:02| 宮崎 ☁| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月17日

よせばいいのにアベちゃん

「だから『もう一度聞くよ、ほんとうにいいんだね?』って言うたがね」
「口の中が大変な事になってま〜〜す >_< 」


FM宮崎の「グッドタイム」という番組内の「きてくりゃい!西米良」で、開催中の「ジビエフェア」を取り上げている。今日は妻の店「ラ・メール」の「ヴェニゾンカリー」を取材に来てもらった。パーソナリティーは樋口千穂さん。お相手は村の観光担当アベちゃん。妻がインタビューされながら進行する流れだが、カレーを食べてみなきゃ話は始まらないと、美味しさが一番伝わる「辛さ2倍」を樋口さん。よせばいいのにアベちゃんは「食べ比べしたいので10倍をお願いします」と無謀な事を言いだして冒頭のやり取りになった。


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なごやかな雰囲気でスタート。褒めちぎられて笑いが止まらない妻。


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アベちゃん、10倍カレーに挑戦の一口目。「ぐわ〜〜〜!がらい〜〜!」


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SONY α 7U smc PENTAX 28mm f 3.5

「私、普通でもノーマルの辛さ選択なんです」という樋口さんがアベちゃんのお皿から一口拝借。「では10倍頂きます・・・ぶぁ〜〜〜〜〜!」

もはや罰ゲームと化した食レポ。ま、インパクトはあったけど、通常の4倍までが美味しく頂ける辛さだなぁ。(5倍以上は追加料金があります)

ヴェニゾンカリー(鹿肉トッピング)800円。
今月28日まで。待ってますよ〜。


✨ エフエム宮崎、22日(木曜日) 午後3時からの「グッドタイム」、
「きてくりゃい!西米良」のコーナーで!






posted by オガワタカヒロ at 23:26| 宮崎 | Comment(0) | la mère | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

身近な幸せ

海道、東北、北陸。雪のことはすっかり忘れていたが、まだまだ戦いは続いているようだ。知人や仲間に連絡をもらったり、SNSでその豪雪の様子を見せられるといたたまれない気分になる。

どこでもだれでも世界中の事が瞬時に把握できる世の中。日常と非日常が交錯する毎日に少々疲れる事もあるが、村の中学生が高校に受かった、隣の赤ちゃんが笑った、そんな身近な幸せを心に留める豊かな気持ちで日々を過ごしたい。


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雨模様の空から雲が割れて夕陽が見えた。




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2018年02月15日

写真はなかなか奥深い

崎に帰って5年が過ぎた2006年、「宮日文化情報センター」の写真講師のお話しをいただいた。写真を教わる事はあっても教えるなんておこがましいのでしばらく考えさせてもらったが、「アドバイス」くらいならとお引き受けした。それがきっかけで「写真 小河塾」が起塾して、宮崎のふたつの美術展の企画委員、運営委員を委嘱される事になる。

発展途上の未熟者だと自分が一番よくわかっているのに、頼りにされるとその気になって、「任せなさい」とお受けする。写真を残すことも伝えることもプロの使命と言い聞かせ、今日はNHK宮崎の番組中にある小さなコーナーのお手伝いをすることになった。


国富町出身のキャスター、稲澤由記さんと一緒に春を探してアサンポ。高低差のある地形が大好きな「桐囲地区」を泣き出しそうな空を見上げながら歩いた。SONY α 7U にsmc PENTAX-M 50mm f 1.4 を装着して、彼女の感覚に驚かされながらも、ちょこちょこ駄目出しを入れての楽しい撮影だった。


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プロの技術をひけらかす番組ではないし、かといって何でもかんでも「いいよいいよ」なんて言えないし。どういくか様子をうかがっていたが、稲澤さんの一生懸命さが伝わってきておじちゃん結構語っちゃたよ(笑)

面白かったのは、レンズにフードが付いていないことを指摘すると、それで起こってしまうフレアやゴーストが若い人たちにとっては「かわいい写真」になるのだそうだ。写真の裾野が広がったとはいえ、プロも写真の概念をおさらいする必要があるかもしれん。


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午後からは現在開催中の雛祭りの飾りが美しい「菊池記念館」と「温泉ゆた〜と」を訪ねる。

できあがりもさることながら、若い女性がメカニカルなカメラを持って撮影するという緩急のコントラストは見ていて微笑ましい。「カメラ女子」が増え、それをもてはやす世の中も悪くないね。写真はなかなか奥深い。

オンエアは、
27日、夕方6時10分 〜の「イブニング宮崎」(総合・宮崎県内)
・稲澤さんと西米良サンポ
3月1日、午前11時45分 〜の「昼前ほっとみやざき」(総合・宮崎県内)
・スタジオへ伺って駄目押しアドバイス(笑)





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2018年02月14日

4年に一度の祭典

ョンチャンオリンピックが開幕して日本人のメダリストが続々と誕生している。本音を言えば、ワールドカップで連勝していた人たちがオリンピックでは金メダルを獲れないのが不満だが、ストイックに日々を過ごしてきたことを伝える番組を観ると「おつかれさん」と言いたくなる。

今では五ヶ瀬町にスキー場もできてウインタースポーツが特別なものではなくなったのに、やっぱりこの時期のスポーツは苦手だ。「最初が肝心」というけど、20代に何度か行ったスキーがよくなかった。素直にスクールへ入ってちゃんと教えてもらえばいいものを、天邪鬼気質が出て「自分で上手くなる」と宣言。イメージトレーニングをみっちり頭に叩き込んでゲレンデに出たが、まったくもって上手くいかなかった。結局、疲れ果てて落ち着いた昼食のレストランで飲んだ生ビールが一番美味しかったという結末。

そんな冬のスポーツ音痴も、にわか解説者になってテレビにかじりつく4年に一度の祭典。どんなドラマや伝説が生まれるのか、自分の力を信じて力一杯戦ってほしいものだ。


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2018年02月13日

安物買い

SONY α 7U を購入以後、交換マウントを買い揃えていることは先日書いた。その種類は想像以上に多く、レンズ沼ならぬマウント沼も存在することを知った。

だが職業写真屋としては「元の取れない機材」にそうそう出費もできない。しかも精巧で名の通ったマウントメーカーであれば1個何万もする。あれこれ調べていくうちにそんな客を待ち構えている中国系の小さな会社の商品に行き着いた。「NEEWER]」。ニーワーかニューワーか?それまでに購入していたK&Fというメーカーのものが2,500円前後だったのに(それでもかなり安い)なんと980円!K&Fが値段の割には問題なく撮影できたし、ダメで元々。早速注文した。

正しい名前はニューワー。中国の企業で社長が王さん。M42マウントの正位置が天地逆になるが、3本のネジで調整可能。早速装着して撮影するがどうにも陰影のシマリがない。オールドレンズの特徴だと諦めていたら他に原因があった。レンズの内側が金属むき出し。これではレンズ内で光が乱反射してそうなるよな。


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カスタマイズ、って言うのか。その部分にモルトを張って黒で締めることにした。


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赤線の部分を切り抜いてむき出しの金属部分に貼り付ける。


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最初はそのまま貼り付けたが、接合部分の1mmほどがダブついて浮いてしまうので、その1mm分を切除。


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なかなかうまくいった。テスト撮りすると効果絶大。980円でも十分使える機材に変身した。安物買いにはこれがあるからやめられない。





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2018年02月12日

馬鹿

先生、今日は雪が舞いよっですわ。北の方じゃ豪雪になっとっごたっけど、ここ辺な世話ねぇでしょ。積りでもすれば明日来てくりやる人たちに気の毒ですわ。
 「今日も寒ぃですなぁ〜」と僕が言うと「生きとる証拠じゃ。『あ〜ぃた涼しいなった』って言うえば寒ぃこたねぇが」。今日もそげな涼しい日です。

教員生活の最後をふる里で迎えようと帰ってこられた昭和50年。先生に初めてお会いしたのは2年生の時じゃったですね。2年間、悪ガキだった僕らはずいぶん鍛えられた。袋に入れた米ぬかで廊下を磨かされた時は「今どきこんげな掃除する学校どまねぇが」とみんなで愚痴をこぼしたもんです。
 3年生の頃、便所が遠ぇから行くのがよだきいと、教室に近い給食室の裏で小便をし続けていた男子はそれが見つかって校長室に延々と正座させられた。一人が「先生、授業が始まります・・・」と言うと「そげなもな行かんでもええ!」と一喝。今でもあの話しになると大笑いして思い出しましたよね。

先生の書く字に親しみを覚えていました。父上、安正先生と、父の兄、喜久男伯父は同じ上米良小学校の教員でした。安正先生の字を範とした伯父は弟の父へ書を教えます。その字を見て僕や息子たちが書くことを学びました。先生の息子さん、照裕さんから頂いたお手紙を見た時に、同じ系譜をたどった字だとすぐに分かりましたよ。

「邪魔しますぞ〜、おるかな〜」週に一度は店に寄って写真の焼き増しを注文される。自宅へ訪ねて来られた方々と記念写真を撮って送って差し上げるためでした。妻が淹れたお茶をすすってソファーで待っておられ、写真ができあがると米良のことや90年前の思い出話を30分。これが日課になっとったですね。


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この写真は6〜7年前でしたかね。「そろそろ準備しとらないかんと思うてな」と仰るので、僕はいつもと違った特別な気持ちでシャッターを押しました。晩年の好々爺の表情から、ゲンコツをもろぉた中学時代の先生の目に変わった時を狙いました。僕にはそれが先生でしたからね。お届けに上がるとお褒めの言葉を頂きました。「お〜、こらよぉでけた。こっで心配なしじゃ」。

去年もおととしも、この時期に体調をこわして寝込みやったですわ。でも春になると「病気してだれたども、また生き返った」と仰って店に来れるから今度もあんまり心配しとらんかったとです。



もう会えんとですね。米良の本を一緒に作ろうって約束したとに、先生に聞いておかにゃいかんことがまだ山ほどあったとに。しんきなもんじゃ。100まで行くって言いやったですわ。

「馬鹿がおらんなった。何でもやり始めたら『あんやつぁ馬鹿じゃねぇか』って言われるくらいやる人間じゃねぇけりゃいかん」。ふたりで熱くなって喋べっとっと必ずこの言葉が出てきた。

先生、おれは馬鹿を通しますよ。見とってください。





合掌








posted by オガワタカヒロ at 23:38| 宮崎 ☀| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

書く行為

キストでのやり取りが当たり前の世の中だが、「書く行為」を忘れないためにペン書きに特化した手帳を使っている。インクの乗り易い紙質で、ページが限りなく180度に開く。筆記用具は鉛筆。と、昔から決めていたのに今年初めて消せるボールペンとやらを買ってみた。「今ごろ〜」と思われても仕方がない。ガラケイにこだわるとか、旧車が好きだとか、意外にも受け入れは慎重派だ。さらに失敗してバカをみるのも嫌だし、お試しの120円ペン。


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使ってみればこれがなかなかよい。鉛筆並みの細字だし、インクのかすれもない。消せるという特徴も見事で、のっけから間違えた文字をきれいに消し去ってくれた。調べてみれば65度以上の摩擦熱で色素が無くなる特殊なインクを使っているらしい。見えないだけで文字は残っていて、氷点下まで冷やすと色素が戻るそうだ。

いずれにせよインクペンで書いてもテキスト並みに「消せる」という保険が掛かったわけで、「ダメな写真なら消せばいいや」というデジタル式思考と同じじゃないかと・・・。


いやいや、こだわるのは書く行為、撮る行為。


インクが消えても、写真が消えても

これで、いいのだ。





posted by オガワタカヒロ at 23:44| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月10日

巨星

星逝く。


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2018年02月09日

写真の面白さ

「無欲の勝利」というより、「欲無し勝利」とでも言うのか、娘は宮日総合美術展の写真部門で2度入選、1度の奨励賞を頂いている。入賞入選率が30数パーセントで6部門トップの狭き門。大したものなのだが、「本職」だった書部門で入選した時の喜び様と、写真部門とではずいぶん差がある。

うまい写真を撮るので「出してみたら?」と言うと「どうぞ」と人ごとのように了承する。努力して努力してできあがった書作品と、感覚だけで「撮れちゃった」写真作品とでは本人の歓喜の意識が違いすぎるのだろう。だが写真はそれがある。絵画でも書でも彫刻でもそんなことは起こらない。そこが写真の面白さだ。


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宮崎県美術展写真部門 初挑戦の結果はいかに
SONY α 7U smc PENTAX-M 50mm f 1.4


本日より宮崎県美術展のエントリー開始。
県立美術館地下搬入口にて、日曜まで。

挑戦しなければ何も始まらない。





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2018年02月08日

1本持ってけ

髪屋の栄治さんは篠笛作りの名人だ。手先の器用な職人としての素養に加えて、研究熱心で素材にも徹底的にこだわる。元々は神楽面を彫っていたが、そのうち篠笛も作り始めた。冬の大祭で奉納される神楽の篠笛吹きの中にも栄治さんの笛を愛用する者も多い。自分専用の「スペシャル」をこさえてもらい、笛の裏には「栄治」の刻印入りだ。

「12月23日以来ですから『明けましておめでとうございます』ですね」

寒くて寒くて髪を切るともっと寒くなりそうで行きそびれていたが、計算すると47日ぶりの散髪だった。

理容「フレンド」の店内は栄治さんの作った面や篠笛がところ狭しと飾ってある。インテリアというより、その中で散髪している感覚だ。

散髪が終わった後、真新しい3本の新作を眺めていると、

「タカ坊には(物心ついた時から散髪してもらっているので、呼び名は当時から時間が止まっている)笛、やっとらんかったかね?」
「いや、おれ、吹けんから」
「練習すれば鳴るようになるが。1本持ってけ」


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SONY α 7U smc PENTAX-M 50mm f 1.4


なんと!「栄治」の刻印入り篠笛を頂いた。「インドの蛇遣いくらいは吹けるようになるが。カレー出すのにいいかもしれん」と茶化されたが、これは伝統の神楽笛を吹けるようになって恩返ししなければならん。

ブレーメンの音楽隊よろしく、帰り道の商店街をピープー鳴らして吹いてみたがうまくいかん。才能はほとんどないに等しいが、努力は結果を裏切らないというから練習を重ねる所存だ。

現在の実力動画 👇 ✨ 次ページに色々書いてありますが心配いりません。「規約に同意してファイルをダウンロードする」をクリックしてください。


洋文君、壁にぶち当たったら教えてくれ。(すでに壁だが・・・)


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新旧の名人ふたり・「西米良神楽」より(鉱脈社刊)




posted by オガワタカヒロ at 23:27| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月07日

役場がほぼ消えた

50年ぶりに建て替えられる旧西米良村役場がほぼ消えた。10月末に始まった工事も瓦礫が片付けられればいよいよ新庁舎建築へ向かって動きだす。

壊して造る日本建築の典型的なパターンだが、父が働いていた職場、この様子はどこか心に突き刺さる。通学路になる村所小学校へ通っていた子どもたちや、近隣鶴地区の子どもたちも同じ思いでこの様子を見守っているに違いない。


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SONY α 7U smc PENTAX-M 50mm f 1.4





posted by オガワタカヒロ at 23:38| 宮崎 ☁| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

レンズ温泉

1889年に「イーストマン・コダック」社がロールフィルムを発売すると、100年もの間フィルム時代が続いた。ところが時代がデジタルに変貌を遂げた途端、ものすごい勢いでカメラを取り巻く環境が変わってしまった。それまではメーカー独自の「マウント」を介して、同一メーカーのレンズしか装着できなかったが、ミラーレスカメラの出現でアダブターさえ揃えればどんなレンズでも装着できるようになった。

40年も前からカメラと戯れている人間からしてみると、まさに夢じゃないかと思わせる出来事だ。オールドレンズ市場も花盛りで、オークションもずいぶん盛り上がっているようだが、これはほんとうに面白い。幸か不幸かキャノンのコンデジ S110 が故障してくれたおかげで、SONY α 7U に出会えた。

レンズ沼にはまり込んだご同輩も多いはずだが、こんなに気持ちイイ沼なら、いっそのこと「レンズ 」とした方が良さそうな気がする。


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左から、
ニコンFマウント・ペンタックスKマウント
ライカMマウント(Lマウントアダブター有り)・M42マウント




posted by オガワタカヒロ at 23:58| 宮崎 ☁| Comment(0) | カメラのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

子どもらしさ

「冬っちゃこげ寒ぃもんじゃったかい?」仕事帰りに浸かる温泉仲間の正文さんが冗談交じりに嘆いている。60数年生きている人がこう言うのだから今年の寒さは尋常ではないようだ。同じ時間帯、そんな大人たちをあざ笑うかのように薄着の小学生軍団がぞくぞくと脱衣所へ突撃してくる。中には自宅からこの寒風の中をランニングしてくる元気坊もいて、さながら裸の寺子屋状態だ。

テレビで流れるニュースインタビューを受ける子どもが妙に大人びていたり、ソツのない受け答えに感心もするが、「らしさ」がない様子に物足りなさを感じる。聞き分けが良くて家庭も中流以上で、いや、そういった見栄を刷り込まれているかもしれなが、とにかくお行儀が良い。温泉へ来る子がその反対とはいう意味ではないが、この子たちにはその「らしさ」がほとばしっている。あるべき子どもらしさ。

女も男も若者も老人もお互いの垣根を越えて進化することは大いに結構なことだが、その過程でそれぞれが本来持ち得ているらしさが薄まっているような気がしてならない。

想像がつかないだろうけど、僕はとんでもないキカン坊だった。あの鬼のように怖いお袋がホトホト手を焼いた。ここで数あるエピソードをご披露する気はないが、らしい、なんて生易しいものではなく、悪ガキだ。


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真冬と思われるが、半ズボンで靴下なし。口の周りにはクリームパンをむさぼり食った残骸が付着していて、股間からは危なくはみ出しそうになっている。背景の襖はズタズタ。畳もボロボロ。

らしいと言うよりスバらしい、と言っておこう。





posted by オガワタカヒロ at 23:56| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月04日

男たちのお雛様

「京都やらどこそこ有名なお雛様と比べたらいかんですよ。俺たちが作ったってすから」。カラカラと支配人の晢ちゃんが笑い飛ばした。


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桶雛


今年も温泉ゆた〜との飾り雛が登場した。10年近くになるだろうか。「なんもせんとなんも起こらんですもんね。ダメで元々でやってみたってすわ」。村民のお宅で眠っていた雛人形を無償で提供してもらい特産物を絡めて展示した。村役場が提案したひなまつり企画は見事に功を奏して、極寒にもかかわらずこの山中にたくさんのお客さまがお越しいただく。

直径15センチの孟宗竹を30本。大木に近い巨竹は一筋縄ではいかない。山主から許可をもらい支配人自ら竹林に入る。鋸を使った手切りだ。「ほかのスタッフを手伝わせると温泉の人手が足らんなっとですわ。じゃから独りでやります」。切り出してきた竹に穴を開け始めると、待ち構えていたスタッフが、ほおずき雛、ユリ雛、桶雛の制作を開始。「竹は切り出した時から色が変わり始めるからですね。できれば早めに見に来て欲しいって書いてください」。彼も心得たもので、僕が写真を撮り始めるとブログで書くことを承知していた。

「3月3日を過ぎて飾とったら娘が嫁に行けんなる、って言いますけど、華やかじゃからええでしょ」とのこと。展示は3月下旬まで。合わせて、館内のレストランでは「雛御膳」が特別メニューで提供される。

男たちがしつらえた可愛い可愛いお雛様たちをぜひご覧ください。


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竹雛



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ほおずき雛



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ユリ雛



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温泉入口


SONY α 7U ZEISS BIOGON T*35 f 2 ZM S






posted by オガワタカヒロ at 23:16| 宮崎 ☁| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月03日

エントリーまであと6日

44回宮崎県美術展のエントリーまであと6日。2月9日(金)〜 2月11日(日)午前10時〜午後5時までが搬入期間となっており、宮崎県美術館、地下1階搬入口へ持参するか、持ち込み業者さんへ委託する。


ご案内公式サイトは 👉 クリック 宮崎県美術展


宮日総合美術展と県美術展で競われるコンクールは、審査員が毎回コメントを残されているとおり、レベルの高いコンテストとして知られている。写真部門に関しては、いわゆる伝統的な無駄のない構図の写真に加えて、一見無駄とも思える「雑味」のある部分を意識的に配した写真も上位に入ってくるようになった。もちろん依頼している審査員の判断だが、近年の傾向として、枠にとらわれない写真が市民権を得てきた背景がある。

デジタルデータが「写真」と呼ばれ始めて、カメラを持つことさえなかった人たちが手軽に写真を撮るようになり、技術なしの感覚写真が心を射止めるようになる。構図だ露出だ光だ色だ、とこだわっていた写真愛好家のことなど全く知らない人たちだ。だが写真はそれでいいと思う。難しく考えなくても撮れるのだから仕方がない。

昔、「人類皆兄弟」と言った人がいた。デジタルもフィルムも、年配も若人も、女も男も、「目の上のたんこぶ」を気持ちよく受け入れて、公の場で競ってみてはどうだろうか。

小河塾からは8作品がエントリーする。「審査員さん、私の感性がわかりますか?」。結果を気にする前にそんな心持ちで挑みたいものだ。



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posted by オガワタカヒロ at 23:30| 宮崎 ☀| Comment(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

あんまりですばい

には変な、いや、困ったジンクスがある。「あそこへ行ったらあの店であの料理を食べたい」と思うのは誰しもが持つ自然な欲求だ。しかも山から下りて頂くめったにない外食。町に住んでいる人が散歩がてらに行く「なじみの店」とは訳が違う。イベントなのだ。

脳内はその料理がうずまき、口内は唾液で充満されている状態なのに、店の玄関に着くといつも定休日。2度や3度なら「偶然」で済ませるが、ほぼ100%の確率でこの現象が起こる。もう家族においては呆れるのを通り越して、車の中で爆笑して事を収めるという対処法まで身につけている。さらに、娘に至ってはこれが遺伝した。先日彼女の希望したスープカレー屋さんもその沼へ落ちた。世にも不思議な現象である。

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私用で熊本市を訪れた。妻とにーよんまる(240)も一緒だ。

「舜のピアノコンクールでよく来たよな〜。あの時に食べた料理はどうね?場所もちゃんと覚えてるが」
「いいわね〜。行こう、行こう」


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smc PENTAX-M 50mm f 1.4

下通商店街でたった一軒だけの改装工事。なんで、なんで、ここまで追いかけて来るとね?ただひたすら、素直にここの料理が食べたいって思って来たとに・・・。


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smc PENTAX-M 50mm f 1.4

気を失いかけてふらふらとアーケードを抜けると、再建中の熊本城が見えた。

加藤清正殿、
米良の田舎侍にこの仕打ち。あんまりですばい。



posted by オガワタカヒロ at 23:07| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

帰りてぇなぁ

国的に極寒。寒さの象徴雪も、北部・日本海側のみならず、太平洋沿岸でも積雪が見られる今年。南国宮崎の山間部に雪が積もったところで驚きもしないが、このブログを村の出身者も多くご覧になっているとのこと。僕の住む竹原(たけわら)の雪景色を見てくださいまし。

住んでいると「春が待ち遠しい」とばかり嘆くが、遠く離れた都会に居る時にはこんな景色こそが郷愁を誘い、「帰りてぇなぁ」と、ビルの隙間から空を見上げたものだった。


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2年前のアートプロジェクト「たこらさるく」の会場になった「春の平(はるのひら)」棚田を見渡す丘から。竹原地区は村内一の耕作面積を誇る。


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NIKKOR 28mm f 2

集落の中心地。それぞれの屋根の下でどんな朝を迎えているのだろうか。


同じ位値から撮った8月のショット。(写真集 アサンポノススメより)

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NIKKOR 50mm f 1.2





posted by オガワタカヒロ at 23:56| 宮崎 ☁| Comment(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

ヴェニゾンカリー

っち(毎日行進)でも宣伝してほしいとのことで、緊急広告!

明日、2月1日(木曜)から月末28日(木曜)まで、西米良村がジビエフェアを開催します。村内6店舗にて鹿やイノシシの肉を素材としたジビエ料理をご用意してお迎えします。

妻の店、カフェギャラリー ラ・メールでも鹿肉をトッピングした「ヴェニゾンカリー」(800円・税込み)をお出しします。元来鹿肉は焼き過ぎると硬くなって不味くなります。生でも食せますので、ニンニク醤油に漬け込んでレアで焼いて食べるのがベストだと僕は思います。ですがシャレオツにこだわるカミさんは、謎の手法で肉を漬け込み、とろけるような鹿肉に仕上げました。今日試食しましたが、まぁまぁうまいです。

「ヴェニゾン」とはフランス語で鹿肉。ラ・メールの名付け親でもある外国語専門の倅が、「せっかくなら同じ言語(フランス語)にしてみたら」と考えてくれました。

混み合うと思います(希望的観測)。ご予約された方がスムーズですばい。
0983−41−4187 or 末尾86(留守電有り)

❗金曜は定休日のため、週末のお越しをお待ちしております。・・・とのこと。


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posted by オガワタカヒロ at 23:57| 宮崎 ☁| Comment(0) | la mère | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月30日

かなくり

「寒ぃ〜ねぇ〜」が合言葉になっている。とはいっても13,000,000人もいる首都でさえ連日氷点下が続いているのだから、「やっぱり宮崎はぬくいわ」と南国の人らしく悠然と振舞って、来る春のお福分けをしてやるのが九州人の務めかもしれない。

それでも今年92歳になる父に言わせれば「昔の寒さはこげなもんじゃなかった。霜柱やかなくりが家の周りででけよったども、今じゃ見ることぁねえわい」という。お決まりの「今の若いもん」的回想話になりかけたが、たしかに僕の記憶からもこの二つは消えてしまった気がする。特にかなくりはめっきり見なくなった。

えっ?「かなくり」分からん?


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米良ではつららのことを「かなくり」と言う。鉄(かね)のように硬いこおり ➡︎(寒くて口を開けられず発音)くうり ➡︎ くり、と変化して「かなくり」。想像だが、そんなものだろう。

両親が「球磨郡へ買い物へ行ってくる」と言うが、この寒さで県境の横谷峠は凍結や雪の危険がある。仕事を一旦休憩して運転手を買って出た道中でこのかなくりを見つけた。「これを入れてウイスキーを呑みてぇもんじゃから、えくろた(酔っ払った)まま山に行って取ってきたもんじゃ」。

山を下った街のスーパーでバーボンをひと瓶カゴに入れた。罪作りなかなくりである。





posted by オガワタカヒロ at 23:54| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

かかったことのない人

西米良にもインフルエンザの波が渦巻いている。村の人は家族のようなものだから、マスクをしていても「どなた?」ってことはないが、見慣れた顔に白いマスクが乗っかっているとどうも勝手が悪い。マスク越しのこもった声で「えらい流行っとるごたるよ。あんたもマスクしとった方がええよ」。

ところがこのインフルエンザにかかったことのない人が何人かいる。温泉ゆた〜との支配人、坂本哲也さんもその一人。彼は後輩でもあるし、幼い頃から顔なじみだから、名前から「哲ちゃん」と呼んでいる。その哲ちゃんが温泉で展示される竹雛作りに取り掛かっており、デザインのアドバイスをしてほしいとやって来た。

「というわけで、この2日間で竹雛作ってしまわんといかんとです。インフルエンザにかかっとるヒマはねぇってすわ」
「流行っとるからね」
「でも俺、こんめぇ頃からインフルエンザにかかったことがねぇってすよ。子ども5人、うちんともインフルエンザにかかっても俺には感染らんですね。ひとつの部屋でばい菌がウジョウジョおるはずやってすけど。菌がおりすぎて抗体ができとっとかもしれんです」

説得力のあるような無いような話だが、哲ちゃんの強靭な体力を見ているとそれもあるのかと思わせる。




仕事帰りの温泉で一緒になる診療所の医院長先生も同じようなことをおっしゃっていた。毎日患者と接触しているが、その後の水分補給や、うがい、手洗いの徹底でかかったことがないのだという。つまりは、完璧な予防と強靭な体力を維持しておけばかからない、という結論になるが。いかに。


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posted by オガワタカヒロ at 23:35| 宮崎 ☀| Comment(0) | 戦う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

杉原家のほのぼのとした空気

ラーレスカメラ、SONY α 7U で撮影した「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)の第2弾は、PENTAXの50mmレンズを装着しての撮影。

smc PENTAX-M 50mm f 1.4 。1976年に発売されたMシリーズカメラ(Kマウント)に伴って発売された「M」の刻印のあるタイプで、先日東京の友人からもらい受けたレンズだ。会社の片隅からひっそり処分されようとしていたらしいが、愛情深い友人はレンズにもその気持ちを発揮して「九州へ送ればなんとかしてくれるのでは」と相談を受けた。こちらもそんな不びんなレンズを放っておくことはできず、うちのメンバーとして迎え入れた。


取材先は綾町にアトリエを構える鋳金作家、杉原木三さん。「たこらさるく」で彫刻家の大野匠さんと一緒に約3ヶ月制作を共にした盟友だ。内容は記事を読んでもらえばいいので書かないが、お子さんが誕生した杉原家のほのぼのとした空気が捉えられた。

PENTAXのレンズは、開放 f 1.4で撮ると締まりが今ひとつだが、ひとつ絞って f 2からはメリハリも効いてシャープだし、なかなかいいレンズ。気に入っている。


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写真をクリックすると拡大されます






posted by オガワタカヒロ at 23:58| 宮崎 ☔| Comment(0) | アーティスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月27日

行動がすべてガラス張り

ライブレコーダーというものを初めて搭載してみた。テレビで見たことのある事故やトラブルで活躍するあれだが、性能や効果はこれからとして、なにしろ帰郷した西米良の若者が取り付けてくれたシステムだ。なんだか特別うれしくて、支払いに行った彼の会社で、ハイテンションになって根掘り葉掘り性能を聞いてしまった。


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しかしながら、これで車での行動がすべてガラス張りになるということだ。いや、別に構わんよ。だってこれ、カミさんの車だもんね。





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2018年01月26日

晶のマークが燦然と輝く

昨年、大好きだった岩満晶子先生に47年ぶりに再会できた。ご縁のあった串間市美術展での審査の帰りだ。お世話になったのは担任だった村所小1年生と2年生の時。美人の先生は生徒に人気で、写真撮影になると皆先生の横へ並びたがった。

退職された後は、家の敷地に「ぽんかん」を栽培してご主人と二人三脚で果樹園を営まれていたが、数年前にご主人を亡くされた。30年近く続いた果樹園の存続が危ぶまれたが、親せきの力を借りて栽培を継続。今でも注文の方へ向けて、全国へ発送されている。


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「晶」のマークが燦然と輝く


「今年はね、夏が暑かったでしょうが。ぽんかんもね、暑さから自分を守ろうとして皮を固〜くするとよ。じゃかい皮が固いじゃろ?」

10キロのぽんかんを送ってくださったお礼に電話を入れると、授業さながらの口調で今年のでき栄えを説明してくださった。

「身体が動かんごとなったから、私もあんたんごつ今までの教育のことを書いて残そうかと思ちょっとよ」



昭和43年44年のクラスメート諸君、岩満先生は80歳を迎えてもますますお元気です。我々も教えを守って負けないように頑張ろう!


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2018年01月25日

古銭だ!

し物は意外な所から見つかったりするものだ。我が家には床の間がある。新しい家を建てると、床の間どころか畳さえも設計に入らないと聞くが、父の設えた家だ。神棚と床の間がないな家などあり得ない。

その床の間に「開かずの棚」がある。見て見ぬ振りというか、父が大事にしている品が入っていると聞いているので帰郷して以来手付かずにしてあった。先日、立派な頂き物をしたので床の間に置いておこうと掃除を兼ねて諸々を整理してその開かずの棚に手を付けた。開けた瞬間に爺じぃになったらどうしようとは思わなかったが、恐る恐る開けてみれば、国や県から頂いた記念の金杯がどっさり入れてあった。長い間の奉職中に頂いた物だろう。恐らく父に聞いても覚えていないと思う。

その中に子ども用の巾着袋があった。記憶の片隅にあった袋だ。「懐かしい」と手に取ると、劣化した底の部分が剥がれて中からジャラジャラと音を立てて流れ出てきた。古銭だ!


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小学生の時に切手収集が流行って、ひとしきり落ち着いた頃に古銭集めも始めた。なかなか渋い小学生だが、あの頃は結構流行っていたのだ。「寛永通宝」「天宝通宝」「一銭銅貨」「二銭銅貨」・・・。緑青が吹いて素手で触るのもためらったが、開かずの棚から思い出までも飛び出して、床の間様やありがたや。





posted by オガワタカヒロ at 23:44| 宮崎 ☀| Comment(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする