2017年05月23日

景色が一変していた

東の田植えの時期はおおよそ5月下旬から6月上旬。ほぼ西米良と同じだが、平野の続く宮崎市内では3月に行う場所もあり、同じ県内でも山間部とは大きく違う。

自宅からスタジオまでの2.5キロを撮りながら歩く。食欲が増してウェイトが気になり始めたのでシェイプアップも兼ねているのだ。帰省した息子と「競争」して食べるからだな、と人のせいにしてみる。


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棚田が見渡せる場所に立つと景色が一変していた。鏡面の田んぼに映り込んだ若葉が美しさを放つ。田植えの終わった稲に近づいてみた。プルプルプルと気持ち良く泳ぐオタマジャクシが、カメラのフレーミングに合わせてポーズをとった。




posted by オガワタカヒロ at 23:57| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

こいつとの戦い

舎の人が超満員電車のリアルな混みようを知らないように、都会の人にヤマビルに襲われた時の感覚が分かるか、と言っても無理だ。けど、想像して田舎暮らしのもう一つの側面を知るのも悪くないと思う。

花が咲き始めると地上は楽園と化すが、地下ではヒルの活動が着々と進む。寿命は3〜5年。越冬せず、気温さえ上がれば吸血活動を行う。山で写真を撮る人はこいつとの戦いを制さなければ、写真どころか山中に近づくこともできない。とにかく素早い。見た目ではなく、たとえば羽音があったり、移動する音が聞こえてくるのなら対処のしようもあるが、素早く飛びつき、静かに皮膚に到達するや、すぐに食い付き、ヒルジンという血液が凝固しない物質を送り込みながら吸血すのだからたまらない。満腹になって体を離れると、その傷口から出た血液はちょっとやそっとでは止まらない。


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特に竹林での撮影は要注意。ものの数分で撮影を終えた。もちろん危険地帯だと分かっているからだ。アスファルトの林道へ出てきて長靴を確認すると数匹のヒルが上がってきて長靴の中へ入らんばかりにうごめいている。足踏みしたくらいでは落ちないので、枝を拾って払い落とした。「命拾いしたぜ」と車に乗って「もしや?」と思い、車を降りてフロアマットを見渡すと予感は的中。靴裏に張り付いていた野郎がマットに落ちて、次の攻撃の準備をしていた。マットごと外へ出して振り落とした。

「野生の感」を取り戻す、エキサイティングな田舎へようこそ。




posted by オガワタカヒロ at 22:43| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

土地の脆弱化

西米良村の広さは東京ドーム約5,777個分。東京都区部の約半分近い面積がある。ここまで広いアトリエを持つ写真家もなかないい感じだと思う。

それはいいとして、先日村の中心部の入り口付近が崩落して国道219号が閉鎖された(迂回路あり)。6月からは梅雨、8月から10月までは台風が列をなしてやって来る。崩落が普段は気にもしない山の現状を知ろうとする機会になった。


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新緑を撮り歩く中で、山肌がむき出しの伐採地に出くわす。安値の続いた山の値が上昇気味で、村の関係者も安堵しているが、禿山になった土地の脆弱化も気になるところだ。「痛し痒し」もあろうが、山で安全に暮らす方法は、山と仲良く暮らすことだとも言える。




posted by オガワタカヒロ at 23:49| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 西米良のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月20日

夏への序曲

れだけ緑色を見ているのだから視力が良くなりゃしないか期待しているが、まったくその気配はない。迷信かもしれない。

5月の小河塾は久方ぶりに西米良で行った。10時、ギャラリーで塾生の皆さんを待ち受けるが、今朝は5時半から山中を撮り回っていたので、少々疲れ気味。簡単に今日のメニューを説明して、新緑鮮やかな林道を1時間ほど走った。途中の松林で春蝉(別名・松蟬)の声を聞いて夏への序曲が始まったことを感じる。

峠を越えて林道を下ると「虹の滝」が見えてきた。先日の豪雨で水量も増して写真を撮る絶好のシチュエーションだ。6名の塾生が盛んにシャッターを切って色々な撮り方を試しながら撮影終了。


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posted by オガワタカヒロ at 23:46| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 小河塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月19日

恋人を待つ

子が帰省してきた。理由はいずれ書くが、悪事を働いて強制送還されたのではないことを、彼の名誉において書いておく。

それにしても妻の喜びようといったらない。前の夜から「朝1番の飛行機なのよね。4時半のバスに乗らなきゃ遅れちゃうってよ」と、今朝3時半に起きて目覚ましコールをしたらしい。偶然にも金曜の定休日と重なったので、一緒に迎えに行けるというのもそれに拍車をかけた。

「起きてください。6時半に出なきゃ8時半に迎えられないでしょ」
「そんな、天皇陛下をお迎えするんじゃあるまいし、ちょっと遅れても大丈夫やがね」

6時半まで1時間もある5時半に起こされて早めに村を出た。


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その姿は恋人を待つ娘のようだ。おかしくなって吹き出しそうだったが、やめた。

「ただいま」
「おかえりなさい」
「よぉ、順調だったな」


いい空気だ。




posted by オガワタカヒロ at 23:54| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月18日

キューリと獅子唐を植えた

日の夕方、熊本県へ出向いて苗を買い込んだ。ここ数年の経験を生かして今年は大量のキュウリやトマトを栽培する予定だ。日曜からぐずつきそうなので、店を妻に任せて土と戯れた。というのも少し理由があって、ここ1ヶ月ほど父の気分が沈みがちだ。背中の圧迫骨折の治療を続けているせいか少々弱気になっている。ここは「育て方をご教授下され」と頭を下げて気分よく畑に連れ出そうと考えた。

案の定「どら、そげ言えばてなわんな。畑に出てみろかい」と言いながら付き合ってくれた。あれこれアドバイスを受けながら土を耕し、キューリと獅子唐を植えた。


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野菜のことを聞くのは当たり前だが、昔話や、たわいもない世間話をしながらの作業が大切だ。すっかり元気になった父は「昼からは家に棚を一つ作るから、お前に貸しといた電動ドライバーを返してくれよ」と、設置してやった手すりを頼りに隠居へ帰って行った。

豊作の夏が楽しみだ・・・




posted by オガワタカヒロ at 23:55| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月17日

ンガルーにはヘソが無いのだそうだ。哺乳類ならヘソの緒を通じて胎児に栄養を与え、長い期間を子宮に留めておくが、それがきないのだという。 1ヶ月という超未熟児で生まれてくる赤ちゃんを、育児嚢(いくじのう)に入れて育て上げる。まことに便利な袋である。

日本人も「風呂敷」という便利な布を使って袋にしたり、包んだり、縛ったりして物を運んだ。風呂敷を見なくなったどころか、何に使うかも知らない日本人がいるかもしれない。

小学校の行き帰り。山を登ったり、川を下ったりしてその時間を楽しみながら歩いた。途中に「90婆さん」と呼んでいたお年寄りが一人暮らしをしていた。「ばあちゃん、水飲ませて」と水道を借りると、下校する小学生の僕らに「ごくろうさま」といって、ちり紙に包んだおやつをくれる。中身は「砂糖」。(なぁんだ、砂糖か)と思ったが、残の1キロを歩きながらペロペロ舐めなが帰ると意外に美味しかった。最後には、指に付けた唾が包んでくれたちり紙に落ちて、穴が開き、ぐちょぐちょになっていた。



スタジオの裏に住む一人暮らしのおばあちゃんが、エプロンの裾をつまんで袋にして買い物から帰ってきた。中には今夜の夕飯やらオヤツが入っている。「あたしゃカゴやら持たんとよ。店が近けぇからな」と笑った。カンガルーでも欲しがりそうな便利な袋である。


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2017年05月16日

知らない場所で子どもは撮れない

今、追加のWeb サイト開設に向けて奮闘している。素人だからまさに「奮闘」である。器用が決して良いことではない典型で、自分が納得したいので何でも自分で作ろうとする。この「納得」は良し悪しにつながらず、あくまでも自己満足という意味だ。現在見ていただいているオフィシャルサイトもぜんぶ自分で作った。

座り続けるお尻の向きをあちこち変えながら終日パソコンに向かう。しかし、MacProとEIZOのCG2730モニターを新調したのは良かった。サクサク快適に、正しい色調で仕事に打ち込める。

耳にはいつものJ-WAVEが届いている。ナビゲータのクリス智子さんの紹介で今日のゲスト、写真家の梅佳代さんが登場した。撮影で10年来伺っている北陸の訛りが微笑ましい。ご存知の木村伊兵衛写真賞 受賞作家だが、彼女ですら「知らない場所で子どもは撮れない」と言っていた。世の中が「肖像権」なんて言わなかった時代に比べると「後ろ向きの写真」が増えた増えた。世の中に発表するプロにとっては難しい時代になったと思う。


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「村で撮ることが一番楽しい」と無意識に撮影しているが、意外にもこんなところに「心地よさ」が潜んでいるのかもしれない。



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2017年05月15日

トミカのジオラマ

の様子がいつもとは違うと気がついたのは店を開けてしばらくしてからだった。週明けなのに空気が動いていない。そう、日曜日に感じる休日の気配。人っ子一人いないのはいつものことだが、車の往来がまったく無い。


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おとといの崩落事故から2日経った。時折、迂回路の看板を見過ごした車が商店街を抜け、現場に行き当たりUターンして来る。中には車を止めて道を聞く人もいる。野良猫が左右を気にしながら道路を横断するが「大丈夫。ゆっくり渡りな」。

トミカのジオラマか、映画のセットのように見える風景が痛々しい。「もうダメだ。もうダメ」近所のおばちゃんがそう言いながら目の前を通り過ぎて行った。




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2017年05月14日

「残す」という役割

生の先輩であり、呑み友だちであり、遊びの先生であもる、ヘアスタイリストの友人に、「代官山でサロンを始めて30年。最初に髪を切った人がおばあちゃんになって、今はそのお孫さんが来てくれてるよ。親子3代で髪を切らせてもらってるってこどだね」と何年か前に聞いた。永く続けることもさることながら、3代に渡って引きつける彼の魅力は素晴らしいと感心した。

まだまだ足元にも及ばないが、時代をつなぐ嬉しいことがあった。帰郷した2年後の2003年春、お母さんからの依頼で小学校を卒業した女の子を撮影した。あどけない表情だが強い意志を感じる子だった。その3年後、中学卒業時にも記念写真を撮った。「高校へ行ってもがんばります!」と、15の春に村を巣立って行く。

5年後の成人式での撮影では、あどけなかった表情は消えて目標にしている職業にまっしぐら、といった様子だった。

そして、この春。

「娘がですね、どうしても小河さんに撮ってほしいから帰省した時に撮影をお願いしたいって言うとですよ・・・。あの〜、その〜・・・、孫ができたんですよ。初孫 ^^」
「え〜っ。そうでしたか、お孫さん、できましたか。あの子がお母さん ^^」

数日後、母になった彼女とそのお子さんを撮影した。しっかりした口調で今の状況を語ってくれる彼女を見て、僕は話の内容よりその姿に感動していた。


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写真をクリックすると「STUDIO PHOTO」のページへつながります。掲載許可は頂いています。


在京時代、刹那的に使い捨てられる自分の写真に疑問を抱いたこともあった。帰郷後、一業務として撮り続けてきた写真というよりは、写真本来の「残す」という役割を全うできた。

彼女の孫まで撮る日が来れば、友人に胸を張って伝えようと思う。


posted by オガワタカヒロ at 23:18| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月13日

土の匂い

の祖母は台風がもたらした大雨で命を落とした。昭和46年8月29日、鹿児島県大隅半島に上陸した超大型台風23号が宮崎県を横断する深夜にその事故は起きた。祖母の居た隠居の裏山が山頂付近から崩落したのだ。

当時小学4年生。遺体が発見されて泣き崩れる母の歪んだ顔を忘れることはできない。翌日の台風一過の青い空と、土砂が放つ生臭い土の匂いが異常なほどリアルだった。



きのう、日記の最後に書いた集中豪雨の「危険な夏」が現実となって目の前に姿を現した。中心地、村所(むらしょ)の入り口付近。国道219号の山側が100m近い高さから崩落して道路を塞いだ。


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負傷者が無かったのが不幸中の幸いだが、大規模な崩落ゆえ、開通までは相当な時間がかかる見込みだ。迂回路は西米良中学校へ通じる対岸の村道。宮崎市方面からみえた方は、ここから2キロ手前の「かりこぼうず大橋」を左折して温泉や村所商店街へ向かえる。熊本方面へも同じ。ただし、10トン車まで。

ドライバーのみなさんはくれぐれも通学路ということをお忘れなく。生徒が車に向かって行っている「一礼挨拶」も忙しくなりそうだ。


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現場には土の匂いがあの悪夢を誘い出すように漂っていた。5月が終われば梅雨。雨のために遅々として進まぬ復旧工事を、台風が追い打ちをかけないだろうか・・・。

危険な夏はもう真っ平御免だ。




posted by オガワタカヒロ at 23:05| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

毎週金曜日は「定休日」

月の三が日だけを休みにして362日は営業日と決めている。そのわりには不定休が多いとの評判もあるが(笑)、ともかく意識の中でその日数は営業日だ。写真屋だけの時には土日休業だったが、カフェのお客さんは週末に集中する、というのも理由の一つ。

自由自在に飛び回る僕の場合は、あってないような営業日だが、妻にも完全休養日を持ってもらおうと考えた。そんなわけで、今日から毎週金曜日は「定休日」。シャッターを閉めて、(行きたい)と思っても店には近づかないというのを約束にした。

妻は妻で、おれはおれで休日を楽しむ。

さて、どうするか・・・そうだ!写真撮ろう。っていつもと一緒ではないか。ま、そんな気分でカメラを構えるのも悪くないか。

完全オフ。なんてちょっとかっこいいな。


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それにしても凄まじい豪雨だった。近づいた楽しい夏は、危険な夏でもある。




posted by オガワタカヒロ at 22:28| 宮崎 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

田んぼに水が入った

ツ瀬川を隔てた向こう岸の田んぼでエンジンの音が聞こえている。竹原(たけわら)地区、春の平(はるのひら)は大正末期から昭和にかけて大規模な開墾が行われた。当時、広々とした土地はあるものの全域に巨岩、大岩が累々として焼畑もできない不毛の地であった。それを地区の有志が一念発起して5.5ヘクタールの開田事業を達成する。実に4年の歳月を費やした大プロジェクトである。以来、竹原地区は村一番の耕作面積を誇る豊かな土地に生まれ変わる。地区民共同一致の旗のもと、水を引く水路も3キロ上流から建設して数十軒の農家に分配された。


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今年も田んぼに水が入った。繰り返される毎年の仕事を丁寧に丁寧にやり遂げる農家の人の「心の芯」を見て、田畑を持たない我が家の家族も豊かな気分を共有できた。

西米良の田植えは6月上旬。トラクターの音も心地のいい、初夏の眺め。



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2017年05月10日

リアルな1日

ンターネットと呼ばれるものに初めて触れたのは1997年頃だろうか。それまでの情報源であった紙媒体やテレビやラジオとは全く異なる、ありとあらえる情報を個人の主導で瞬時に摂取できるという、極めて未来的なツールであった。

最初は一方的に情報を得るだけ。ところがホームページを開設したり、ブログを始めると自分に興味を持ってくれた人との交流が始まった。さらにSNSに参加するや、会ったこともない人と「友達」になり、擬似的なお付き合いも成立する。

昨日終日撮り歩いた写真を今朝SNSにアップした。息を呑む風景に感動した気持ちを素直に伝えたかった。


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その写真を見た数人からコメントを寄せてもらう中で、「朝のラッシュ時の車内でこの写真を見て『救われた』」とあった。大都会から瞬時に西米良へお連れした脳内瞬間移動。地獄の朝ラッシュを知っているだけにそのコメントが余計に嬉しかった。

午後からは「以前からブログを見ていました」という方がギャラリーにお越しになる。昨日だったら会えないのに、これもご縁というものだろう。

インターネットのバーチャル世界が、より現実に近づいたリアルな1日だった。



posted by オガワタカヒロ at 23:50| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真で伝える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月09日

山の神

ちに待った雨だ。広告や雑誌の撮影だけをやっていた頃は「雨を待つ」ということはほとんど無く、待つのはたいがいお陽さまだった。ところが自然を相手にしている今の撮影ではむしろ雨の日の方が楽しみで、さらに、気に入った写真が撮れることが多い。おかげで全天候型の写真撮り屋になった。

起き抜けの雨にゆうつな顔の妻を尻目に、雨天用の撮影グッズをネイキッドへ積み込んで撮影に向う。気になっていた椎の花の前でカメラを構えるがもうピークは過ぎていた。気をとり直してさらに山奥へ分け入った。

いつも不思議に思うのだが、撮影中に人の話し声が聞こえることがある。もちろん、人っ子一人いない山中である。おそらく谷川のせせらぎだったり、木の葉のすれ合う音がそう聞こえるのだろうが、意外にしっかりした「言葉」である。具体的に言えば、女性のひそひそ声に似ている。

「ねぇねぇ、見て、また来てる」
「やぁだ、ほんと。何してるんでしょうね」

ってな感じ。だが気味悪がっているようでは男がすたる。ここは一緒に記念写真を撮ってやろう。一息ついたところで声の聞こえる谷側にレンズを向けてセルフタイマーをセットした。10秒後にシャッター、撮影コマ数5。ピントを合わせて濡れた石を飛び越えながらフレームに入る。5枚の内にいろいろポーズを決めたが、ぜんぜん決まっていなかった。


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山の神は女性だと聞く。狩猟の時期になり、猟師が山へ入る儀式時には全員が性器をさらけ出し、山の神に感謝を捧げるという。さすがにそれは問題・・・というか勇気もないのでこれで勘弁してもらった。


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おかげでその後、素晴らしい被写体に次々と出会い、納得のいく写真をたくさん撮らせてもらった。

山の神に感謝である。




posted by オガワタカヒロ at 23:54| 宮崎 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

山奥の小さな珈琲屋

野の声をまじめに聞き入れて完成が遅れてしまったが、このテーブルの効果は絶大だ。村を散策するご家族、初夏の風とともにやって来るツーリング族、などなど。「外でいいですか?」と寄ってくださる。元々衣料店だったこともあって、南側から差し込む日光で商品が「日焼け」しないことを計算して入り口が3mほど奥まっている。

「玄関が奥で入りづらい」「都会的で敷居が高そう(どんだけ(笑・・・)」「一人では入れない」「看板は写真店なのに・・・珈琲?」「恐い(俺?)」。入ってきたお客さんがそう言いながら「なんだ、いい感じじゃないの」なんて仰る。

趣味を仕事にしたいと志して写真業に携わってきたが、妻は違う。やりたいことを断念させてここへ拉致したのだから、彼女にも「楽しいこと」をさせてやりたいと常に考えている。だがいかんせん、山奥の小さな珈琲屋。楽しいことを与えてくれる人は時々しかやって来ない。


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「一期一会ね。だから気持ちを込めて淹れるのよ」

一枚板のテーブルがお客さまとの再会を生む呼び水、いや呼び珈琲になるかもしれない。



posted by オガワタカヒロ at 23:49| 宮崎 | Comment(0) | TrackBack(0) | la mère | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

それも毎年

の時期に必ず「自転車始めるぞ!」と宣言する。それも毎年。そう言わせる張本人との出会いは2007年10月だから・・・、お〜っ、もう10年前ということになる。この年、初めてのフォトエッセイ連載を西日本新聞で始めることになった。きっかけは宮崎支局在籍時代から付き合いのあった、当時の文化部長氏の勧めだ。

「写真はともかく、文章のど素人に『連載』なんてできますかねぇ」
「 Webで日記書いてるじゃない、あの調子でいいよ。気にしない気にしない。写真が良いんだから、文字は書きたいだけ書きなよ。あとは担当者が整えてくれるって」

担当を命ぜられた人は不幸であった。長ったらしい作文のような文章を、人様が読めるように調整しなければならないのだ。だが担当になった堀田氏は丁寧に分かりやすくアドバイスしてくれ、ついに第1号が掲載される。書くことが好きになるなんて考えてもみなかったが、それを見抜いてくれた部長氏には感謝である。

10年過ぎたが同い年のよしみもあって変わりなく付き合いが続いている。ただ、大きく変わったことが彼の体型。ロードバイクを始めるや再会するたびにスリムになり、さらにここ数年は福岡から熊本県人吉市まで輪行して、そこから標高1,000mの峠を越え村までの70キロを自走してくる。


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「今日は今までで一番のコンディションでしたよ。気持ちが良かったー」。到着しての第一声を伝えるや、少し時間があるからと、往復33キロの越野尾地区往復ライドに向かった。

「堀田さん会うたびにカッコよくなってるわね」・・・・・・→ と妻が僕の体型を横目で見た・・・。


よし、自転車始めるぞ!




posted by オガワタカヒロ at 23:52| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月06日

冷静でカッコいい

っちが勝手に喜んでいるのを尻目に、淡々と粛々と自分の仕事に邁進する。クールだなぁ。花であれば・・・そう、受粉して生殖を行うのだから主張が強く、ともすれば「いやみ」を伴うこともある。だが新緑は大人びていて、冷静でカッコいい。

そんなことを考えながら山に入り、ひたすら歩き、行き着いたモミジの蒼に感動しっぱなし。毎年撮影しているので少しづつの成長が見て取れる。枝の中には水面に付きそうなものも出てきた。


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「ども ^^ 今年もいい色だねぇ。水も澄んでるし、いい写真撮らせてもらえそうだわ」。3秒のシャッタースピードに耐えるように、風を避けて静かに佇んでくれた。

村の人口は1,200足らずだが、僕のカメラの向こう側には数万の相手がいる。



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2017年05月05日

ハナミズキ

「男の子の日だし、休日だし、学校で祝ってもらえないし」
「そんなこと言ったって、あなたが予定日よりゆっくり生まれてくれるから・・・。お父さんはその日『ハナミズキ』を撮影に行ってたの。偶然にしてもステキよね」



娘、二十歳。家族で祝えるのもいつまでかな・・・。


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posted by オガワタカヒロ at 23:47| 宮崎 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月04日

いわきの人たちの優しさ

京へ行くまで刺身を食べられなかった。中学までは山奥暮らし。魚屋に刺身が並んでいたが、今思えば新鮮とは言い難いものだった。高校へ行くと独り暮らしの自炊生活。刺身なんて高級な食べ物を買う余裕なんてない上に、それまでの経緯で好まなかった。

上京して酒を憶え、刺身の旨さを知った。それから10年。妻の実家、福島県「いわき市」に初めて行って見たスーパーのパック入り刺身の美しさに感動。「スーパーにこれほどの魚が並ぶとは・・・」。ご両親に挨拶をした後、出された旨すぎる魚に(今まで食べた刺身の味は何だったのだろう)と思った。

結婚は妻の家族とのお付き合いも始まる。「カメラマン」なんて現実味のない仕事をしている、何処の馬の骨ともわからぬ人間を温かく迎えてくれたいわきの人たちの優しさは、今でも心に染みている。子どもが生まれ帰郷して、今度は子どもが上京した。

「しばらく行ってないからゴールデンウイークは婆ちゃんの所へ行くよ」。独りで暮らす母を思いやった息子がいわきへ向かった。姉夫婦家族の " これでもか " という歓待に舌鼓を打ち、写真を送ってくれる。


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FaceTimeで宴に駆けつけた10人ほどの家族と代わり番こに顔を見ながら会話をした。母の元気そうな顔と声が、刺身の思い出と重なり・・・、泣けてきた。




posted by オガワタカヒロ at 23:27| 宮崎 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

感覚のアンテナ

「特に好きな写真は人物ですか?風景ですか?」と聞かれることがある。誤解されて伝わると危険なので、「どちらかといえば」という前置きをして当たり障り無く答えている。だが本音は自分が押すシャッターで定着された写真はすべて好きだ。好きな瞬間でなければ押さないので、「嫌いな写真は無い」といえる。ただしこれは押した瞬間「限定」であって、時間の経過とともに「好きでは無い写真」になることもある。


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散歩撮影のいいところは、そのスピード。元来二本足で歩行する動物のために、他の器官もそれに合わせて作られているのだと思う。五感への刺激も強く、歩いて撮っている時が一番よく見える。「見える」というのは「目で見る」のでは無く、「感じる」と言った方がいい。感覚のアンテナは歩行時が一番よく働く。

それは被写体が人でも風景でも垣根は無い。



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2017年05月02日

家康の命ずる声

徳川歴代将軍名宝展」が開かれている。宮崎県立美術館で、今月28日(日曜)まで。甲冑ばかりが取り沙汰されている感もあるがそればかりではない。刀剣、調度・装身具、古文書にいたるまで、九州初の大規模展を鑑賞する絶好の機会だ。我が家の父もその分野の大ファン。「背中の圧迫骨折も良くなったから、28日までにはなんとかして行かにゃならん」と家康の命ずる声に従う予定だ ^^

村の殿様菊池家も江戸城に参府していた。幕府からみれば米粒並みの「殿様」だったろうが、米良が鷹巣山に指定されたことで目をかけてもらったらしい。

その菊池家にも武家文化の名残が残っている。
 ゴールデンウイーク、「菊池記念館」の玄関に鎮座する甲冑を見学して歴史を学び、新緑に身を委ねる初夏もまた乙なものだ。



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posted by オガワタカヒロ at 23:04| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮崎のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

そう簡単には撮れない

「近くて遠い国」。使い方としては物理的な距離ではなく、訳あって仲良くできない間柄を指してこう呼ぶのだが、特に仲が悪い訳ではない椎葉村。西米良を中心に東西へ向かう容易さに比べると、難所が続く南北の道のりは実際の距離の何倍もの隔たりを感じて、「近くて遠い村」の意識があった。

連載のために何度となく撮影に通った。そのうち意識の中にあった距離が縮まり、見慣れた山間部の景色に親しみも湧いて、今まで見えなかったものが良く見えるようになった。

アマチュアの方の質問に、「せっかく海外まで行ったのに満足いく写真が撮れなかった。どうしたらその場でいい写真が撮れるようになるのか」と言われることがある。プロやハイアマチュアのように視点が確立している人ならまだしも、ビギナーではちょっと厳しい条件だ。本気で撮り下ろそうと思うのなら何度も何度も通うべき。さらに追い詰めるのなら住んでみるべき。満足いく写真はそう簡単には撮れない。


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新聞記事をクリックすると、ホームページの「撮らずにおられん!」へつながります


「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)が16回を迎え、担当者も変わって新たな年度が始まりました。おかげで「知っているつもり」だった宮崎県内のことをより深く知ることができます。次はどこを訪ねるか、今から楽しみです。



posted by オガワタカヒロ at 23:51| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

板に抱きつく

店街の人たちに笑いの種を提供していた向きもあったが、一枚板のテーブルが完成した。

3月18日、村の人から板を譲り受けて43日。いよいよここで珈琲を頂く日がやってきた。「いつも以上に真心こめて淹れてくれ」と妻に " 特注 " を頼んだ。珈琲が入るまで板に抱き付き、ツヤ消しのウレタンニスを3度塗りした面に頬をくっつけてみた。微かにニスの匂いが鼻腔に届いて心地いい。


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荒削りしたゴツゴツの木肌を思い出す。「立派なケヤキの板じゃが。キチンとテーブルにしてやらんともったいねぇど」。通りがかった村の先輩たちから精神的重圧をかけられ、出来上がったと思えば「削り出した時に出た『線』が残っとる。こらダメじゃ」と、テーブル作り専門家のおじちゃんに駄目出しを言われた。「これでいいっすよ。ツルツルに仕上げるのは俺たちプロの仕事じゃから、先輩はこれでええ。この『線』も芸術的ですよ!」と、法事に出かけた後に寄ってくれたホロ酔い気分の後輩が励ましてくれた。彼は腕利きの大工だ。


長かったケヤキとの格闘も終わり、これからは仲良く手を結んで珈琲やビールや日本酒を一緒にやりたいと思う。



【製作途中】

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「なかなか完成しませんね〜」というセリフが挨拶になっていた。感慨深いなぁ・・・



posted by オガワタカヒロ at 23:53| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月29日

『暇な時』が無い

岡からの撮影帰り、宮原サービスエリアで2人の男たちがひる飯をむさぼり食っている姿を見た。ツナギのユニホームに身を包み、一見「やんちゃ風」である。中の1人は、眼光鋭く、食いながらでも外敵をうかがう様子が印象的だ。横を通り過ぎると声をかけてきた。絡んできたか?

「小河さん!っちわっす!」

見れば「若者図鑑」で撮り下ろした青年だ。村を出たと聞いていたが、宮崎市内で職人として従事し、今日は福岡の仕事から帰る途中だという。

「撮影っすか?東京だけかと思ったら福岡でも仕事されるんですか。すげっすね」
「技術があればどこでも呼んでくれるからな、ありがたいよ。おまえも頑張れよ」
「はい、やりますよ俺も!」

10年前の話だ。


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写真をクリックすると「若者図鑑」へつながります


この青年がたった10年で年商10億円を超える会社の代表に成長した。

3年前に「暇な時に」と雨どいの詰まりを直す仕事を頼んでおいた。当然社員の人が来てくれると思っていたら、休日の間隙をぬって本人が現れた。普段は世界を飛び回る超多忙な敏腕社長である。

「申し訳ないです。『暇な時』が無いもんで延び延びになってしまって(笑)」
「こっちこそ。たいした仕事でもないのに、おまえが来てくれんでも・・・」


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高所作業車を自分の腕のように操り、パーフェクトな仕事をしてくれた。仕事の大小に関わらず「全力投球」が彼の信条だ。

13年前の撮影時。良く言えば穏やかな、悪く言えば長閑な若者が多い中、飛びかからんばかりの生意気さに「こんな奴もいるのか」と嬉しくなったのを覚えている。

刺激し合う相手が後輩というカタチほど気分がいいものはない。「また美味い酒持って伺いますわ。では」と仕事を終えると風のように行ってしまった。




posted by オガワタカヒロ at 23:18| 宮崎 | Comment(0) | TrackBack(0) | 美しい日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月28日

クレーム

「工事責任者」といった風の人が近づいてきた。僕は店のシャッターを開けて、それを支える支柱を取り外すところだった。「ご迷惑をお掛けします」と恐縮するのは、今、行われている商店街の舗装工事を請け負う業者の人だ。

彼にしてみれば営業中の商店街で行う工事は厄介な案件の一つなのだろう。「営業妨害だ」「粉塵がひどい」「騒音でお客さまが迷惑している」、なんてことは当たり前のクレームのはずだ。

以前こんなことがあった。都心の店舗が並ぶ場所で雑誌の撮影をしていると、店の人が眉間にシワを寄せて出てきた。「うちの店の前で写真写すのなら3万円頂きますよ!」お店背景で撮るのなら撮影許可を頂くが、並ぶ店舗の一部でしか写らないのに・・・世知辛い世の中だと思った。

閑話休題。

「それにしても今の工事は早いですねぇ」
「いろいろとご迷惑はあるでしょうが、舗装を今週には終わらせて、1日に白線を引きます。そこで終了です。ご迷惑をおかけします」
「とんでもない。こうして工事車両が次々と現れて、たくさんの方が作業されると閑散とした商店街が賑わっていいですわ。活気が出てきたようで」
「そう言われると・・・、ありがとうございます」


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クレームどころか、ありがたい気持ちを素直に伝えたら拍子抜けの様子だった。国道219と265が交わる九州の交差点。料金節約で高速を回避して走る大型車両が増えるこの道。痛みが激しく、雨天時の水たまりを跳ねた雨水が店舗に飛び込むこともある。水はけの良いアスファルトを使って、早め早めにやり直してもらえるのだ。クレームなんてつけようがない。

さて、製作途中のテーブルにたっぷり積もった粉塵を掃除して完成を急がなければ。

ゴールデンウイークはすぐそこまで来ている。




posted by オガワタカヒロ at 23:27| 宮崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月27日

車のお医者さま

ったように車が好きな人のことを、昔は「カーキチ」と呼んでいた。そのことを思えば僕はカーキチではないが、気に入った物へのこだわりは少なからずある。写真関係は言わずもがな、日用品の中でもこれでなきゃ使わない、という物がかなりある。面倒な人だと思われても仕方のない性格だ。


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240(にーよんまる)が元気になって戻って来た。1992年製造納車であるから、今年で25年目に突入する。外見や走行距離には年月を感じないが、見えないところに経年劣化や消耗が出てきていた。

まずは昨年夏に発生したクーラーの不具合。「おれは元々クーラー嫌いだから」とうそぶいていたが、同乗する家族はそうもいかないので、クーラーガス交換。その他に、ブレーキパッド交換、ロアーボールジョイント交換、エンジンとブレーキのオイル交換、あと、もろもろ。

掛かりつけの医者がいてくれると安心して身を任せられる。車も同じで、なじみの車屋さんの技術者が事細かに説明してくれる様子はまさに車のお医者さま。聞き入るこちらも「はい、はい。なるほど」と、いつになく素直だ。ハンドルを握って数メートル走ったところで生き返ったエンジンの能力をすぐに感じることができた。滑らかに動いている4本のシリンダーを想像してみる。

暦はそろそろ5月。こいつが生まれた月と僕の生まれた月が偶然にも同じ。

久々に遠乗りしたい気分だ。



posted by オガワタカヒロ at 23:20| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月26日

消費が追いつかない!

って食べる地域の人には「なんと贅沢なことを」と思われるだろうが、「我が家のタケノコ消費が追いつかない!」

猫の額ほどの竹林に、もの凄い勢いで生える。僕と妻それに父と母、4人で消費してもそんなに食えたものではない。近しい方にお福分けしてなんとか無駄にせずに済んでいるが、食後の胃薬も底をついてきた。放っておいて竹にしてしまうと国道沿いを走る電線の邪魔になる。特にそのあたりのタケノコは全て食さなければならない。

「カレーにしておきましたからね。これ食べてくださいよ」。言い残して出かけた妻の言葉にうなずき、お昼は「筍カレー」。


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筍料理に使う材料を町で調達してきて「今夜は新作を作ってみたわ」と出てきたのは、筍丸ごと肉汁たっぷり「筍 肉詰めあんかけ風味」。振りかけた山椒が金粉に見えて金沢にでも来たようだ。いや、これは言い過ぎ。切り分けて食べてもボリュームたっぷり。それに定番の「あさりの酒蒸し in 筍」。Cookpad に売り込むか(笑


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伸びる筍にあやかって、消えた髪も伸びないもんかねぇ・・・




posted by オガワタカヒロ at 23:45| 宮崎 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 美味しいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

スタジオフォトの新作

「子どもが知ってる方に撮ってもらうって、こういうことなんですね。楽しい撮影でした」

現代っ子が撮られ慣れているといっても、スタジオで大きなストロボがピカピカ光って、可笑しくもないのに「笑って」と知らない人に言われても普段の笑顔ができるはずがない。節目節目で撮影をご依頼くださるお母さんに改めてお礼を言われると、今さらながら「村に戻ってきてよかった」と思う。

すでに「仕事」という義務や枠はなくなってしまった。もちろん、業務であるから料金は頂くが、撮りながら「楽しくて仕方がない」なんて青臭いことを本気でつぶやく。


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スタジオフォトの新作3点です。新一年生の弾ける気分と、ご家族の溢れる愛情が手に取るように伝わってきました。(写真をクリックするとホームページの PHOTO STUDIO につながります・ご家族には掲載許可を頂いています)

うれしくて、たのしくって、天職だなぁ。



posted by オガワタカヒロ at 23:59| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月24日

ニコンF3の登場

月30日(日曜)掲載の「撮らずにおられん!」(毎日新聞・宮崎)はニコンF3の登場だ。言わずと知れたFマウント最上位機種の3代目、1980年発売からシリーズ中最長の、20年間製造された。車のデザインで著名な、イタリアのジウジアーロがボディに赤いラインを入れて話題を呼んだ。


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1980年といえば、僕らが写真学校に入学した年。ハタチそこそこのカメラ小僧たちにしてみれば、喉から手が出るほどのカメラだが、高級すぎてとても買えない。(50mm F1.4付・17万5,000円)F3は貧乏学生の垂涎の的であった。

クラスの中に関西の大金持ちの子がいた。発売されるや、いきなり2台のF3を持ってきた。失礼ながら写真は巧くない。

「1台はノーマルや。2台目はわざと塗装を剥がして使い込んだ風にしてみたんやけど、どや?」
「どや、って・・・。す、す、すげーなぁ・・・」

クラスのみんなが代わりばんこ手に取ってみたが、心の中では(なに考えてんだこいつ〜〜)と思っていたに違いない。


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山の中で思い出を振り返り、苦笑いしながらレンズを装着した。構図を整え、シャッタースピードを決め、絞りリングを回そうとしたが・・・、「絞りがない!」。ニコン党ならすぐにピンとこられただろうが、装着したレンズがGタイプレンズであった。慌ててDタイプに交換して事なきを得た。



関西のクラスメートは今でもあのカメラを持っているのだろうか。

初夏の風がF3を撫でるように吹いていった。





posted by オガワタカヒロ at 23:22| 宮崎 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする